撮影「Takashi Maki」
その代表格がふきのとう。雪や土を割って顔を出す姿は、厳しかった冬が去りゆく印です。
ふきのとうは可愛らしい見かけに反したほろ苦さが魅力。甘味噌と合わせれば、ご飯のすすむばっけ味噌に。天ぷらにすると、頬張った瞬間にほろ苦い春の香りが鼻に抜けていきます。
このほろ苦さこそ春先の体が必要としているものだといいます。冬籠の間に溜まった脂肪や老廃物をデトックスするのだとか。
ふきのとうが芽吹く頃、市中に出回るハッサクも、ほろ苦みを楽しむフルーツ。甘酸っぱさの奥に潜む、ほんのりしたほろ苦さが、眠っていた体を目覚めさせてくれるのです。
無農薬栽培のものなら皮はマーマレードにも。果実は大ぶりの房をそのままツナやプチトマト、酢飯と合わせて、ライスサラダ風のちらし寿司にもおすすめです。免疫力を高めるビタミンCや疲労回復に良いクエン酸たっぷりで、風邪の予防にも。
ちなみに雨水の日に雛人形を飾ると良縁に恵まれると言われます。
縁というのは、何も男女の中に限ったものではありません。友人との縁、仕事との縁、親子の縁…。今年はお雛様をきれいに飾って、良い縁をさずかれるよう祈ってはみませんか。
好きが高じて食をテーマに20余年、食べては書く日々を送るライター・エディター。