立春が過ぎて最初の午の日を初午と呼び、全国各地の稲荷神社で初午祭が行われます。これは和銅4年の初午の日に京都・伏見稲荷大社に祀られる宇迦之御魂神が降臨したという故事にならったもの。五穀豊穣や商売繁盛を祈る人が各地の稲荷社に参詣します。
江戸の昔も、初午祭は盛んに行われ、稲荷社は庶民で賑わいました。
国立国会図書館デジタルコレクション
この初午につきものなのがいなり寿司。きつねがお稲荷様の神使だということから、狐の好物とされる油揚げをお供えするようになったのがはじまり。そこから甘く炊いた油揚げの中に酢飯を詰めたものを食べる慣しとなったのだとか。
撮影「Takashi Maki」
酢飯に白胡麻や微塵切りのワサビを混ぜ込むと、ひと味違う仕上がりに。あらかじめいなり寿司用に炊き上げた油揚げも市販されていますから、酢飯の具をアレンジして我が家だけのオリジナルを作るのも楽しいもの。
今年の初午は2月10日。稲荷寿司を食べて、今年の幸を祈りましょう。
好きが高じて食をテーマに20余年、食べては書く日々を送るライター・エディター。