環境・生産者・地域・消費者全方ヨシのSDGs的お米が登場!

環境・生産者・地域・消費者全方ヨシのSDGs的お米が登場!

「お米の一貫メーカー」として知られるミツハシライスが、今年9月サステナブルに特化させた「とれたて米」というお米をリリース。その取り組みに迫ります。


ミツハシライスによる「とれたて米」

「とれたて米」は、令和3年産の北海道当別産のななつぼし100%を採用したもので、地元の生産法人・ライスター弁華との共同開発によって生まれたお米です。
この地区のお米はかつて「弁茂米」と呼ばれ北海道の高級すし店で採用されるなど評価が高かった一方、近年は生産者の諸事情などもあり、生産が下火になっていたそうです。

「弁茂米」がミツハシライスのコーディネートで「とれたて米」として生まれ変わりました。

この問題を危惧し、環境面にも存分に配慮をしながら、この「弁茂米」を復活させ再度評価を高めようと、ミツハシライスが指揮を取り実現したものがこの「とれたて米」。このお米の誕生の背景にはどんなSDGs的な試みがあったのでしょうか。今回はミツハシライスの高橋英一さんに話をお聞きしました。

ミツハシライス・北海道事業所長の高橋英一さん

生産者が抱える問題を解決すべく商品開発に立ち上がった!

――ミツハシライスさんは「お米の一貫メーカー」として、精米の販売だけでなく、炊飯や冷凍、お米の魅力を伝える飲食店などを運営されています。今回リリースとなった「とれたて米」も、トータルコーディネートをされたそうですね。

高橋英一さん(以下、高橋) もともとはライスター弁華さんという生産法人のほうで「未来にお米を残したい」「水田を保ちたい」「雇用を創出したい」という思いを強く抱かれていて、弊社もそこに共感し、商品開発をコーディネートさせていただきました。

「とれたて米」は北海道で最もポピュラーで人気がある「ななつぼし」という品種である一方、当別町弁華別地区、茂平沢地区のお米は「弁茂米(べんもまい)」とも言われ、地元では非常に人気があったそうです。

しかし、近年では認知度が下がってしまっており、お客様にその価値をお届けするために商品化に取り組みました。

やはりお米はまず生産者の方の意欲が一番大切です。まずはこの点に注力し、生産者の方に対し、消費者の方の声をお届けするなどし「一緒にやりませんか」とお声がけさせていただき、皆で一つになって「とれたて米」の実現に向け動きだした次第でした。

ライスター弁華と共に取り組むことになった「とれたて米」の田んぼ

マンパワーの問題を解決するために、ドローンを使ったスマート農業にも挑戦されたそうです

米袋だけでなく、パッケージプリントに使うインクも環境に優しいものを

――まさに、SDGsで言うところの「目標8『働きがいも経済成長も』」に合致するスタートだったわけですね。

高橋 はい。ただ商品開発をする際には、サステナブルな取り組みをできる限り盛り込みたいとも思っていました。

まずは「環境面」。米袋にしても、当初は明確に決めていませんでしたが、環境に配慮したものにしたいということにはこだわり、結果的にメイワパックスさんのバイオマスポリエチレンを採用し、米袋のプリントに使うインクも同社のライスインキを採用しました。

ご存知かもしれませんが、バイオマスポリエチレン(フィルム)は「カーボンニュートラル」という考え方が基になったものです。例えば米袋が償却される際に排出される二酸化炭素の一部と、フィルムに使用されるサトウキビが育成・栽培する過程で吸収できる二酸化炭素が相殺されている考え方があります。

また、ライスインキのほうも国産の米糠から抽出された米糠油を使用しているものです。精米の副産物として生まれたものですから、お米を有意義に使える利点がある上、排出される二酸化炭素も従来の大豆油のものよりも少なくてすむそうです。

環境に優しい米袋とインクを使った「とれたて米」

「無洗米」としてのリリースにくわえ地元への寄付も…

――「とれたて米」は「無洗米」となっています。近年、SDGsを意識したお米は「無洗米」であることが多いですが、これは何故でしょうか。

高橋 「とぎ汁を出さない」といった点が環境に優しいからです。とぎ汁には窒素、リンなどが含まれており、環境的に考えれば、できれば流さないほうが良い。そのため、「とれたて米」でも「無洗米」として販売することにしました。

――また、「とれたて米」は売り上げの一部(1袋5円)を地元の「当別町まちづくり基金」に寄付されているようですね。

高橋 当初、「とれたて米」の商品開発をするにあたり、当別町の方にも様々な相談をさせていただいていましたが、そこには前述のような生産者の方が抱える問題など、様々なことが浮き彫りになりました。

そのため、地元の生産者の方を応援したいとも思い、売り上げの一部を「当別町まちづくり基金」に寄付させていただくことにしました。これらのことで、環境への配慮はもちろん、地域全体も盛り上げていければ良いなと思っています。

期間限定販売でなければ実現しにくいフレッシュなお米のうまさ

――まさにSDGs的な観点から見ても、全方ヨシと言える「とれたて米」ですが、一つ寂しいのは「年間販売」ではなく「期間限定販売」であるということです。これは何故なのでしょうか。

高橋 「フレッシュ」ということにこだわっているからです。やはりどれだけ環境に優れ、良いお米を生産することができたとしても、それがきちんと消費者の方に届けられなければ成立しません。

そのため、商品の価値として「フレッシュ」というのを打ち出したいと考え、「とれたて米」としました。収穫日をパッケージに記載し、いかにとれたてで美味しいかをアピールしています。

これらのことから、どうしても「年間販売」は難しく、「限定販売」にせざるを得ませんでした。

――精米から、どれくらいの期間で店頭に並ぶのでしょうか。

高橋 最短で2日ほどです。これは「とれたて米」の重要なアピールポイントだと思っています。

――肝心の味はどんなものなのでしょうか。

高橋 なかなか言葉にするのは難しいですが、本当に美味しいですよ。粘りがあり、甘味もあり、お米本来の持つ風合いも濃く「お米らしいお米だな」と個人的には思っています。私の家族にも好評でした。

「とれたて米」の出荷の様子。最短で精米から2日以内に消費者が口にすることができます

SDGsが「身近なことから」なのだとすれば、お米は真っ先に取り組むべき

――ミツハシライスさんが指揮を取り実現した「とれたて米」は実に有意義ですが、「おこめとSDGs」というテーマを考えた際、今後さらにどんなことができそうでしょうか?

高橋 SDGsには様々な考え方があり、何をベースに話せばいいかは難しいと思いますが、まずは「身近の人のためにできることを始めていく」ことが一番重要なのではないかと私は思っています。

それが正しければ、お米は、日本人にとって最も身近な食べ物であり、多くの方に関わる大切な食材でもあります。真っ先に取り組むべきですし、また今後もできることが数多くあるように思います。

現時点で、私たちの立場で出来る第一歩は、農家からお米を集荷して、正当な価値をお客さまに発信して販売し、さらに、お客さまの声を生産者の方にお戻しし、次の生産へと生かし未来へと繋げていくことだと考えています。

また、ミツハシ北海道事業では、発達障害のあるお子様へお米のイベントを実施しており、今年で3年目となりました。「少しでも子どもたちにお米を身近に感じてもらえれば」と始めた取り組みですが、いつもイベントが終わると逆に勇気づけられるような気持ちになります。このように環境や人への取り組みは循環することがあり、それを絶やさないことで、良い未来にも繋がっていくのではないかと思っています。今後もお米を通して様々な環境や人への取り組みを提案していければ良いなと思っています。

そのパッケージだけを見れば、「なるほど、とれたてで美味しいお米なのか」と断片的に考えがちですが、高橋さんのお話から、背景には深い思いとSDGs的な環境・人への配慮が十二分に盛り込まれたお米だったことがわかりました。「とれたて米」の性格上、購入期間が限定ではありますが、機会がありましたら是非購入されてみてはいかがでしょうか。

おいしい生活(くらし)、あなたと共に。 | コメの一貫メーカー ミツハシライス

https://www.3284rice.com/

おいしい生活、あなたと共に。(株)ミツハシは、安全・安心でおいしい「お米」や「ごはん」を、皆様の食卓へお届けするコメの一貫メーカーです。

この記事のライター

音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・decoを設立。出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタメ、音楽、カルチャー、 乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関する著書に『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)、 『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『台湾迷路案内』(オークラ出版)などがある

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