
今年の暑さは、もう凶悪と言っていいほど。気温35℃以上の猛暑日地点が200箇所以上に登る日も! そんな中でも、田んぼでは稲が青々と繁り、稲穂が顔を出し始めています。古くは、その初穂を神に献じ豊作を祈る田の神の祭りが各地で行われいたのだとか。確かに、風に揺れる若い稲穂を眺めていると、秋の収穫に向かって明るい希望が見えて来ます。
撮影「Takashi Maki」
しかし8月前半の暑さは昔から人々の体力を奪っていたようで、宮中では疫病除けとして”尾花粥”を食べる習慣があったとか。”尾花粥”はススキの花穂を黒焼きにして白粥に混ぜたもの。やがて、これが民間にも広がるようになると次第に黒ごまが代用されるように。
レシピは実に簡単。滑らかにすりつぶした黒ごまを白粥に混ぜて、塩で味を整えるだけ。市販の黒ごまペーストを加えても良いでしょう。
黒ごまは古くから滋養競争に良いとされ、生薬としても用いられるほど。近年ではアンチエイジングにも良いと注目されています。

好きが高じて食をテーマに20余年、食べては書く日々を送るライター・エディター。