こめ油が好調なJ-オイルミルズに、SDGsの取り組みを聞いてみた!

こめ油が好調なJ-オイルミルズに、SDGsの取り組みを聞いてみた!

今日の油市場においてサラダ油、キャノーラ油に替わる油としてこめ油が話題です。汎用性が高く、サラダ油、キャノーラ油と同等の使い方ができ、また、ビタミンB群を中心としたビタミン類、カルシウムなどのミネラル、食物繊維、脂質、抗酸化成分などの栄養素が含まれる米ぬか・米胚芽から搾られたこめ油。今回はこめ油の成り立ちの秘密と合わせて、同社のSDGsの取り組みについてさらに深く担当者の方に話を聞いてみることにしました。


『おこめディアgohan』をご覧の方ならご存知の通り今日の油市場においてサラダ油、キャノーラ油に替わる油としてこめ油が話題です。汎用性が高く、サラダ油、キャノーラ油と同等の使い方ができます。また、ビタミンB群を中心としたビタミン類、カルシウムなどのミネラル、食物繊維、脂質、抗酸化成分などの栄養素を含む米ぬか・米胚芽から搾られた油として注目を浴びています。

このこめ油は各社より製品がリリースされていますが、その一つ・J-オイルミルズの担当者の方によれば「米ぬかから油を摂ることで、食品ロス削減・健康にも寄与するのではないか」「植物油は、油をとった後に出でる粕(かす)もムダにせず、貴重な資源として飼料や肥料などに有効活用される」とのことでした。

他方、SDGsに特化した話では、J-オイルミルズでは「マテリアリティ(大切にしたいこと)」を掲げ、企業としての社会への取り組みも盛んに行っています。

今回はこめ油の成り立ちの秘密と合わせて、同社のSDGsの取り組みについてさらに深く担当者の方 に話を聞いてみることにしました。

業務用のご飯は、油を加えて炊かれることが多かった!?

ーー「使いやすい」「美味しい」と話題となっているこめ油ですが、特にSDGsを意識して開発された商品ではなかったようですね。

J-オイルミルズ担当者(以下、担当者)

はい。家庭用のこめ油は原料由来の健康イメージがあり、どんな料理にも使える汎用性のある油として2015年くらいに話題になりはじめました。当社は2016年に600gタイプの発売を開始し、昨年には大容量で気軽に使える1000gタイプをラインナップに加え、ご好評いただいています。

また、業務用のこめ油のお話をしますと、そもそも従来大量にお米を炊く際、「炊飯器に油を加える」というお客さまもいらっしゃいました。

ーーお米を炊くのに油を? 何故ですか?

担当者

油を適量加えると、炊飯器へのこびりつきを抑え、食品ロス低減や従業員の作業性向上につながります。この際によく使われていた油は、キャノーラ油やコーン油が多かったのですが、まさにお米を炊く際に油を加えるのなら、相性の良いこめ油が最適であろうと考え、2019年に「ごはんのための米油(炊飯用)」を発売しました。実際にお米本来の旨味・甘みも、こめ油を使うことで引き立てることができるため、以降、かなりの評価をいただいています。

もちろん、家庭用同様に米ぬかと米胚芽由来の栄養成分が摂れる栄養機能食品(ビタミンE)なので、栄養系商品の設計にも寄与しており、結果的に健康・環境面でもメリットある商品だと自負しています。

キャノーラ油などに比べれば、どうしても価格は上がってしまいます。ただし、他の油に比べて相対的に考えると、こめ油のデメリットというのは思いつきません。

家庭用の「AJINOMOTO 健康こめ油」600gUDエコペット(J-オイルミルズ)

業務用の「JOYL PRO ごはんのための米油(炊飯用)」(J-オイルミルズ)

「JOYL PRO」シリーズは、「一人ひとりの食のJoyに寄り添い調理現場のサステナビリティをサポートする」をコンセプトとする業務用油脂の新ブランドです。

いずれのこめ油も、キャノーラ油などよりも価格高め。ただし、環境・健康面でのデメリットはないとのこと

こめ油は、米ぬかと米胚芽由来の栄養成分が期待できる!

ーーこめ油はどのようにして出来上がるのでしょうか。

担当者

こめ油だけでなく、大豆をはじめとする植物原料から効率よく油を取り出すには大きく3つの方法があります。(1)圧搾法・(2)抽出法・(3)圧抽法なのですが、このうち、当社のこめ油は主に(2)の抽出法によって米ぬかから製造します。

植物原料から油を取り出す抽出法のフロー

こめ油の原料となる米ぬか

担当者

そもそも米ぬかには20%程度の油分が含まれていますが、油を絞った後の脱脂粕は貴重な資源として飼料や肥料などに有効活用されています。一方、油はこの副産物として摂れるものです。

こめ油はオレイン酸が豊富で酸化安定性がありますので、劣化を抑えることができます。この点はSDGs的と言っても良いかもしれません。

こめ油の脂肪酸組織グラフ。健康効果があると言われるオメガ9系に属し、酸化安定性も高いオレイン酸が4割以上も含まれていることがわかります

CO₂削減に特化させた業務用油も開発!

ーー確かに油製品は、確かに酸化することで消費しすぎてしまう印象があります。この点、J-オイルミルズではどんな風に考え取り組まれていますか?

担当者

通常の油より長持ちさせるための油などを業務用で開発し好評を得ています。「長徳®」という商品シリーズで、これはこめ油ではないのですが、キャノーラ油や白絞油、サラダ油など、多様な商品を取り揃えています。この「長徳®」シリーズは実にサステナブルであり、環境面でも特に優しい油だと自負しています。

20%CO₂削減効果で国際規格準拠の「CFP」マークを取得した業務用キャノーラ油「『長徳®』キャノーラ油 16.5kg缶」(J-オイルミルズ)

業務用食用大豆油の「すごい長徳」(J-オイルミルズ)

ーーどんな点が「環境に優しい」のですか?

担当者

まず、油の原料として100使っていたものに対し、仮に3割長持ちさせることができれば、使用する原料を70に抑えることができます。また、この油を製造・配送することに対しても同じように削減することができます。これにより、それまで100だったC0₂の排出量を、削減することができるというものです。

『長徳®』キャノーラ油 16.5kg缶は、今年5月にはCFP(カーボンフットプリント=事業者がサプライチェーンを構成する企業間で協力して更なるCO₂排出量削減を推進している証)の認証マークを取得しました。

ーーCFPは、必ず第三者機関が測定したデータがないと得られないものです。

担当者

はい。まさに数値的な削減効果を測定していただき、原料調達・生産・流通・お客さまの廃棄の過程で、現状では20%のCO₂を削減できる認証をいただきました。

J-オイルミルズのSDGsの取り組みはさらなる未来へ!

ーーこの他にもJ-オイルミルズではサステナビリティについて、サイトでも詳細に考え方や取組みなどを説明しています。

担当者

細部は弊社のサイトをご覧いただきたいですが、J-オイルミルズグループでは今年4月にスタートした新しい経営計画の中でサステナビリティについても大きく目標を掲げています。

また、商品そのものの話で言うと、紙パック容器を採用するなどの取り組みも始めています。油はプラスチックボトルが多いのですが、紙パックにすることでプラスチックの使用削減を目指したいと思っています。

これらの取り組みによって、環境に優しく、お客さまの健康面にも寄与できる商品作りに、より一層力を注いでいきたいと考えています。


今年4月より新しくなったJ-オイルミルズのJOYLロゴ。グリーンの油滴には「つなげる」「究める」「創る」という思いが込められているそうです


こめ油の開発のきっかけはSDGsを意識したものではなかったものの、結果的にデメリットが考えられない環境・健康面にも寄与できる商品だったことがわかりました。また、J-オイルミルズが実践するサステナブルな取り組みは、実に有意義なことのように思いました。

お米ファンの皆さん、今回の記事を是非ご参考にしていただきながら、こめ油をお使いいただきながら、改めてSDGsとは何かを考えられてみてはいかがでしょうか。

J-オイルミルズのサイト
「サステナビリティ」ページ

サステナビリティ|JOYL - J-オイルミルズ

https://www.j-oil.com/sustainability/

J-オイルミルズのサステナビリティ「サステナビリティ」のご説明ページです。

この記事のライター

音楽事務所、出版社勤務などを経て2001年よりフリーランス。2003年に編集プロダクション・decoを設立。出版物(雑誌・書籍)、WEBメディアなど多くの媒体の編集・執筆にたずさわる。エンタメ、音楽、カルチャー、 乗り物、飲食、料理、企業・商品の変遷、台湾などに詳しい。台湾に関する著書に『パワースポット・オブ・台湾』(玄光社)、 『台北以外の台湾ガイド』(亜紀書房)、『台湾迷路案内』(オークラ出版)などがある

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