
八重桜の花も落ち着き、そろそろ藤の花が咲き始めようという頃。ようやく霜の心配がな
くなることから、農家では苗代作りや種まきが始まります。アスパラや春ゴボウ、新玉ね
ぎなど芽吹き野菜も市中に出回り、里山からはフキやタケノコが届きます。雪深い地方で
はコゴミやゼンマイ、タラの芽などの山菜がとれるように。

こうした芽吹きの力を持つ食材は、独特の香りやほろ苦さが魅力。春を感じさせてくれる
と同時に、体内の老廃物や水分の排出を促す働きがあるとされています。しかも食物繊維
も豊富で腸内もすっきり掃除してくれます。

同じように芽吹きの力を蓄えた玄米も、デトックスの力を持っています。また、陰から陽
に大きく転ずるこの季節は、自律神経が乱れがち。新年度を迎える時期でもあり不安や焦
りから不調に悩まされる人も少なくありませんが、玄米に多く含まれるビタミンB群は自
律神経の働きを調える働きも持っています。

不安定になりがちなこの時期、玄米や芽吹き野菜の力をとりこんで、いつチャンスが来て
も動ける心と身体を作りましょう。

好きが高じて食をテーマに20余年、食べては書く日々を送るライター・エディター。