胚芽米とは?
■ビタミンB1の分布
収穫したお米からもみを取り除いて精米する前のお米が玄米ですが、玄米からさらに表皮ぬか層を取り除き、芽が出る部分である胚芽だけを残して精米したお米が、胚芽米です。
そして、お米の断面図と円グラフによるイラストは胚芽米の栄養素として特に注目したいビタミンB1の分布を示しています。
胚芽の含有率の高さが一目瞭然です。
アメリカでビタミンB1不足の実験をしたら、2~3ヵ月もすると全員がノイローゼになり、仕事や勉強もしなくなり、いらいらしたり凶悪なヒステリー状態になったという報告があります。そこでアメリカではビタミンB1を、『道徳ビタミン』と名付けたといいます。
ビタミンB1不足の解消には、『はいが精米』が最適といわれています。
胚芽米の栄養素を白米に比べると?
胚芽の部分には発芽と成長に必要なビタミン、ミネラルなどの栄養を備えており、胚芽米は特にビタミンB群とE群が白米に比べて、非常に高いことが分かっています。
更に、食物繊維も白米の3倍、気持ちを落ち着かせる「抗ストレス作用」があることで知られる栄養素、GABA(γアミノ酸):ギャバも白米の約10倍と非常に多く含まれています。
代表的な栄養素には、ビタミンやミネラルの他に、もう一つ非常に重要な栄養素があります。γ-アミノ酪酸(ガンマあみのらくさん)、通称「ギャバ」と呼ばれる成分です。ギャバはアミノ酸の一種で、人間の体内では、脳内に多く含まれています。一般にギャバは、神経伝達抑制物質として知られており、神経の高ぶりを抑えて、正常な働きに戻す役割を担っています。ギャバは血圧を劇的に下げ、しかも副作用が無いということが分かり、一躍有名になりました。
胚芽米いろいろ
それでは、具体的に胚芽米としてどのような商品があるか見てみましょう。
■アイガモ栽培米(白め胚芽米)
福島県会津若松にあるすとう農産は、『いのち・自然・くらし』がキャッチフレーズの農家です。アイガモにお米を育てる時に害虫や雑草を食べてもらうアイガモ農法によって、無農薬栽培された胚芽米を販売しています。
田植えの済んだ田んぼにアイガモのひなを放飼します。
このため、アイガモ栽培では農薬を使用する必要がありません。
【雑草防除・害虫防除】稲の生育を阻害する雑草や虫はアイガモが食べてくれます。
【 養分供給(散糞) 】
アイガモの糞は良質の肥料になります。
アイガモが稲株の間を泳ぎ回って稲に触れることは、稲に適度な刺激を与え稲が強く育つとも言われています。
■秋田県産あきたこまち胚芽米(鉄分)
秋田県大潟村あきたこまち生産者協会から発売されている「あきたこまち胚芽米鉄分」は鉄分、ビタミンB1を添加し、機能性を向上させています。
パッケージには「鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です」という鉄分に関する説明もあります。女性には特に必要とされる鉄分が一緒に採れるのは嬉しいですね。
胚芽米は、研ぐ際に胚芽が落ちないようにさっと研ぐなどのコツがいりますが、研ぐ必要のない無洗米なのでそんな心配も不要です。
胚芽の大きい新品種「はいごころ」とは
栄養素の高い胚芽が大きい新品種「はいごころ」は、研究機関である農研機構で低アミロース品種の「ミルキープリンセス」を母、巨大胚系統の「巨5-7」(「はいいぶき」の姉妹系統)を父とした後代より育成した低アミロースの巨大胚系統です。
巨大な胚芽を有することでビタミンやGABAの栄養素が非常に高いのに加えて、低アミロース品種の特徴としての粘りが強く、冷めてもあまり食味が低下しない美味しい利点も兼ね備えています。
胚芽米としてぜひ食べてみたいお米です。
玄米重に対する胚芽重の割合および水に浸漬後のGABA生成量は「はいいぶき」と同等に、「ヒノヒカリ」の2~3倍である。玄米の外観品質は「はいいぶき」と同等である。アミロース含有率は7.9%程度であり、胚芽米の米飯食味の総合値は、「はいいぶき」より優れる。
■胚芽の大きな胚芽米
ミツハシライスから発売されている「胚芽の大きな胚芽米」は、国の育種機関である農研機構が開発した、胚芽の大きい新品種「はいごころ」を100%使用しています。その名の通り、通常の胚芽米に比べて胚芽の重量が約2倍、GABAも約2倍、ビタミンEも豊富なため、特に健康を気にかけている30代以上の大人世代に人気のお米です。選び抜かれた契約農家のみが栽培しています。
日本の一部でしか栽培していないこの新しいお米を育てるために、産地と生産者を選び抜きました。専任のフィールドマンが田んぼをまわり、国の育種機関(農研機構)と連携しながら、生産者と共に栽培技術をつくりあげています。これができるのは、ミツハシライスの契約農場で栽培されたからです。