【ご馳走!おみそ汁レシピ第23回】出汁がしみて美味「大根と昆布のおみそ汁」

【ご馳走!おみそ汁レシピ第23回】出汁がしみて美味「大根と昆布のおみそ汁」

冬に美味しい野菜の代表である「大根」。おみそ汁にする際は、小さめに刻んで使うことが多いと思いますが、今回はしっかり大根のジューシーさを堪能できる、大きめブロックのおみそ汁です。味わい深いとろろ昆布をトッピングして旨味たっぷり。ぜひ大根が美味しい旬の間にお召し上がりください。


「ごちそう!おみそ汁レシピ」第23回は、この時期最もおいしい「大根」のおみそ汁です。出汁で煮込んで、汁気をたっぷり含んだ大根の美味しさを、シンプルに味わう旬のごちそう。下ごしらえに時間はかかりますが、調理自体はかんたんですので初心者でも大丈夫。ふんわりと昆布を盛り付ければ、お客様にもお出しできる立派な見栄えになります。

大根は部位によって味に違いがあります

よくスーパーで大根を上下半分ずつ売っているのを見かけます。1本では多すぎるという方にも便利ですが、用途によって使い分けしたいときにも役に立ちます。大根は葉に近い方が甘みが多く、繊維もやわらかいため大根おろしやサラダなど生食に向きます。反対に葉から遠い部分は辛味が強く繊維がしっかりしているため、煮込む料理に向いています。

今回は葉から遠い部分をじっくり炊いておみそ汁にしました。口に含んだ時、中から旨味のある汁がじゅわっと出てくる、ジューシーな食感は絶品です。買うときはみずみずしいハリのあるものを選んでください。

ジアスターゼは、ごはん党にうれしい酵素

大根の栄養素で有名なのが「ジアスターゼ」です。これはでんぷんを分解する酵素の一種で、炭水化物との相性が非常にいいことで知られています。そのため、ごはんが好きな方には強い味方。胃の中ででんぷんをすみやかに分解し、胃もたれや胃酸過多、胸やけなどの不快な症状を抑えてくれます。

また、動物性の脂肪分解や、焼き魚の焦げに含まれる発がん性物質の抑制にもはたらくと言われており、サンマなどに大根おろしを添えて食べるのは昔の人の知恵と言えます。ちなみに下手な役者を「大根役者」と言いますが、これは大根を食べると食あたりしない=(芝居が)当たらない、という言葉遊びから来ているそうです。

辛み成分、葉にも栄養がいっぱい

大根のぴりっとした辛味にも栄養があります。これは「ラファサチン」と呼ばれる成分で、マスタードに含まれる辛味と同じ種類のものです。すりおろして空気に触れると活性化しますので、辛味が苦手な人はラファサチンが少ない葉に近い方を使用するといいでしょう。ラファサチンには殺菌作用や胃液の分泌促進作用があり、ジアスターゼと同様に胃腸を整えるはたらきがあります。

なお、大根の白い根の部分は淡色野菜ですが、葉は緑黄色野菜になります。ビタミンC、E、カリウム、カルシウム、β-カロテンが豊富なので、捨てずに有効活用しましょう。皮にもビタミンが多く含まれますので、ぜひきんぴらや漬物にして召し上がってください。

「おぼろ昆布」と「とろろ昆布」の違いとは

ふわふわとした食感と、汁に溶けたときの旨味が特徴の「とろろ昆布」。似たものに「おぼろ昆布」がありますが、実はこの二つは製法が違います。

おぼろ昆布は一枚の昆布を薄く削りだしたもので、色の濃淡が目立ちます。一方、とろろ昆布は何枚も昆布を重ねて圧縮し、断面を削ったもの。こちらは色が均一に近いです。どちらも昆布なので栄養価は変わりませんが、値段はおぼろ昆布の方がお高いものが多いです。

栄養の面でも、豊富な食物繊維やミネラル、アミノ酸を含む健康食品ですので、おにぎりなどに巻いて召し上がるとよいでしょう。

「大根と昆布のおみそ汁」レシピ

手順

大根はお安くて扱いやすい野菜ですが、味をしっかり含ませるためには、少し手間がかかります。基本的には加熱して放置していれば時間が美味しくしてくれますので、特別な技術を必要とせず、初めての方にもおすすめです。

1.大根はブロック状に切ります

普通のおみそ汁は小さく刻みますが、今回は大根の煮物の味噌仕立てと考え、一口大のブロック状にカットします。長時間煮込みますので、くずれない程度の大きさで。このとき、皮はやや厚めにむいた方が口当たりがよくなります。皮は取っておいて他のお料理にご活用ください。

2.水から大根を茹でます

鍋に大根を並べ、かぶるくらいの水を入れて中火にかけます。沸騰したら火を弱め、ようやく沸騰が続くくらいの火加減で10分ほど茹でます。その後、火を止めて蓋をしたまま粗熱を取ります。大根がうっすらと透き通り、調味料が浸みやすい状態に。この下ごしらえをしておくと、生のまま煮るより味がぐーんと良くなります。

3.出汁でもう一度煮ます

茹でた大根を鍋に入れ、冷ました出汁を注ぎます。火にかけて沸騰したら火を弱め、コトコトと10分ほど煮て火を止め、そのまま冷めるまで放置します。この間に大根が汁を含んでジューシーになります。なお、煮ている間に汁気が減ったら、出汁を足してください。必ず大根が出汁に浸かっている状態で加熱することが肝心です。

4.味噌を溶き入れ、最後の加熱を行います

出汁で炊いた大根が冷えたら、再び火をつけます。沸騰する直前で火を止めて味噌を溶き入れます。今回の味噌は西京の白味噌を使いました。大根の白さを引き立て、まろやかな甘みを加えます。やや甘すぎると思ったときは、塩をひとつまみ入れると味が引き締まります。

5.昆布を盛り付けてできあがり

再び火にかけ、沸騰寸前で火を止めたらできあがり。しっかり味噌の味を含ませたいときは、ここでも粗熱が取れるまで放置して再加熱してください。昆布はふわっと天盛りに。まるで懐石料理の一品のような、上品な汁椀になりました。

今回のまとめ

淡白な味わいの大根を、たっぷり味わうシンプルなおみそ汁。いただくときは、昆布を汁に沈めると旨味がアップします。何度も火を入れては冷ます味付けのテクニックは、他の煮ものにも応用可能です。ぜひお試しください。

大根(ダイコン・だいこん)の栄養価と効能:旬の野菜百科
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/daikon3.htm

大根の栄養と効能について - Cezars Kitchen
https://www.cezarskitchen.com/ja/%E5%A4%A7%E6%A0%B9%E3%81%AE%E6%A0%84%E9%A4%8A%E3%81%A8%E5%8A%B9%E8%83%BD%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/

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おこめディア編集部より:
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今回でシライさんの「ご馳走!おみそ汁レシピ」は最終回となります。
ご愛読ありがとうございました!

この記事のライター

料理記者を経て、飲食店経営や化粧品会社のマーケティングの経験をもつ。
根っからのごはん党です。趣味は世界の美味しいものを食べ歩くこと。
飲食店経営者として厨房に立っていた経験から、レシピ開発のお仕事もさせてい
ただいています。

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