隠れたグルメ野菜「ブロッコリーの茎」は捨てずにもう一品!
「ごちそう!おみそ汁レシピ」第五回は、隠れたグルメ野菜「ブロッコリーの茎」にスポットを当ててみました。茎の部分は茹でるとアスパラガスに似た独特な歯ざわりになり、サラダにしても美味しいですが、おみそ汁にも非常によく合います。「今まで捨てていた」という方、それはもったいない!ぜひこのレシピで1品多く食卓に並べてください。
ブロッコリーは品種改良野菜
ブロッコリーはアブラナ科の緑黄色野菜。キャベツの原種がイタリアで品種改良され、今のような姿になったと言われています。ふだん私たちが食べている部分は花のつぼみで、和名は「メハナヤサイ」「ミドリハナヤサイ」といいます。
日本に初めて入ってきたのが明治初期、本格的に栽培されるようになったのは戦後ですから、わが国では比較的歴史の浅い野菜だといえます。なお、ブロッコリーはそのまま自然に育てると、黄色い花をびっしりと咲かせてボールのように丸くなります。食べるのもいいですが、かわいらしいお花も見てみたいものですね。
すごい栄養成分が含まれています
一時期話題になった「ブロッコリースプラウト」。これはブロッコリーの芽のことで、発がんを抑える「スルフォラファン」という成分が豊富に含まれているため、健康野菜として研究が進んでいます。芽には劣りますが、「スルフォラファン」はつぼみや茎にも含まれており、切って数分ほど空気にあてると、酵素が活性化して成分のはたらきが強まるとも言われています。
また、ブロッコリーはビタミンCやβカロテンの含有量がとても高く、野菜の中ではトップクラスの栄養価を誇ります。特に茎の部分には食物繊維も多いため、上手に調理して残さず食べるよう心がけましょう。ビタミン類はごはんの炭水化物をエネルギーに変えてくれるので、肥満が気になる方にもおすすめです。
「ブロッコリーの茎のおみそ汁」レシピ
■上手なむき方と切り方
まず、最初に皮をむきます。ブロッコリーの茎は葉を切り落とした跡の突起があり、そのままではむきにくいので、包丁で手を切らないよう注意してください。かんたんな剥き方は、まず横ふたつに切ってまな板に立てます。それをしっかり手で支え、真上から縦にそぐように皮を落としていくとうまくいきます。
なお、ブロッコリーの茎は繊維の方向に沿って切るかどうかで食感が変わります。さくっとした食感を残したいときは、繊維の方向にさからわず切ってください。今回は繊維の方向に沿って、拍子切りとせん切りの中間くらいの太さに切りました。
■具材の加熱時間を計算しましょう
では、お出汁を火にかけましょう。沸騰寸前で具材を投入するまでは、ふだんのおみそ汁と同じです。ブロッコリーの茎は火の通りが早いので、合わせるものによっては先に煮た方がよい場合があります。今回、たけのこは水煮を使用しましたので、ブロッコリーより後に入れました。
■手順
1.ブロッコリーの茎は約1分でOK
ブロッコリーの茎を約1分ほど加熱したらたけのこを加え、温める程度で火を止めます。ちなみに、写真のたけのこは穂先だけを使っていますが、中央や根元を使う際はブロッコリーの茎と同じ大きさに切りそろえると口当たりがよくなります。
2.味噌をとく
火を止めた状態で味噌を溶きいれ、最後に再び沸騰寸前まで火を入れたら出来上がりです。今回のお味噌は、コクのある越後のこうじ味噌を使用しました。精白された丸米を使って作られるお味噌で、コクのあるまろやかな味わいは、さすが天下の米どころ。淡白なブロッコリーやたけのこの風味を引き立てます。
たけのこの水煮について
年中手に入る便利な水煮のパック。ご使用の際は必ずパック内の水を捨て、きれいな水で洗ってください。中には保存料の味が付着しているものがあり、苦みやえぐみを感じる場合があります。その場合はいったん茹でこぼしてください。
今回のまとめ
栄養豊富で美味しいブロッコリーの茎。調理法のレパートリーが増えると、茎とつぼみ、ふたつのメニューが作れてお得です。おみそ汁の具材を合わせるときは、色だけでなく食感のバランスも考えて選ぶとうまくいきますよ。ぜひセンスを発揮して、オリジナルのおみそ汁を楽しんでください。
料理記者を経て、飲食店経営や化粧品会社のマーケティングの経験をもつ。
根っからのごはん党です。趣味は世界の美味しいものを食べ歩くこと。
飲食店経営者として厨房に立っていた経験から、レシピ開発のお仕事もさせてい
ただいています。