玄米を子どもに食べさせるときに守りたい、二つのこと

完全栄養食品ともいわれる玄米。
白米と比較されることが多いですが、そのほかの食材と比較しても、現代人の栄養不足を補える食材でありバランスのよい食材はすくないのではないでしょうか。
■精白米・玄米・発芽玄米・胚芽米の代表的な栄養成分比較
精白米 | 玄米 | 発芽玄米 | 胚芽米 |
---|---|---|---|
エネルギー(kcal) | |||
358 | 353 | 356 | 357 |
たんぱく質(g) | |||
6.1 | 6.8 | 6.5 | 6.5 |
炭水化物(g) | |||
77.6 | 74.3 | 74.3 | 75.8 |
カルシウム(mg) | |||
5 | 9 | 13 | 7 |
マグネシウム(mg) | |||
23 | 110 | 120 | 51 |
鉄(mg) | |||
0.8 | 2.1 | 1.0 | 0.9 |
E/トコフェロールα(mg) | |||
0.1 | 1.2 | 1.2 | 0.9 |
B1(mg) | |||
0.08 | 0.41 | 0.35 | 0.23 |
B2(mg) | |||
0.02 | 0.04 | 0.02 | 0.03 |
食物繊維総量(g) | |||
0.5 | 3.0 | 3.1 | 1.3 |
- ※精白米=精白米/うるち米
- ※胚芽米=はいが精米

精白米・うるち米、玄米、発芽玄米、はいが精米のおもな栄養成分の一覧表です。食生活に取り入れたい栄養の参考にどうぞ。
メリットも多い玄米ですが、調べると気になるデメリットもでてきますね。よく言われるのは、白米に比べて消化吸収が悪く、胃腸に負担がかかる為、幼いこどもにたべさせるのは心配。ということ。
実際わが子も食べ始めたころは便にぷつぷつと玄米がでてきていました。しかし、体重が減少するわけでもなく、便秘などの体調の変化もなかったため、私は娘にたべさせるという選択をしました。4歳になった現在、今では便にぷつぷつが出ることはなく、びっくりするくらい元気に育っています。本人が元気で食べているようであれば問題ないとは思います。お子さまの体調を観察しながら食べさせてみてくださいね。
そもそも消化は胃から始まるのではなく、口の中でよく噛む、そして調理の段階も重要な役割を持っています。その2点を味方につけて玄米を消化吸収しやすい状態で食べてみましょう。

1. よく噛む
まずはお箸置きをおき、ひとくち口に入れたらお箸置きにお箸をおいて噛むことから
食べ方の先生はママです。
お子さんとごはんを食べるときは、ママも座ってゆっくりよくかんで食事をしてみてください。
子どもたちはそんなママの姿を見ているだけで自然によく噛むようになります。
「早食いなんです・・・」と相談をされるママはやっぱり早食いです。
意識してもなかなかできないのが難点。まずはお箸置きをおき、ひとくち口に入れたらお箸置きにお箸をおいて噛むことからはじめてみてみましょう。
また忙しくて一緒にごはん食べずに、子どもが食べている間に家事しちゃう!なんて方もいませんか?
わからなくはないのですが、あとで「よくかみなさい!」と注意をする時間をとることを考えたら、一緒に食べる時間を大切にする方がおすすめです。
どんな食材もよく噛むことが大切です。どの食材よりもよく噛める玄米は噛む訓練にもなります。
2. 調理
■玄米を発芽させてみよう!

発芽玄米
浸水させて発芽玄米にする。栄養価が高くなることもうれしいですが、柔らかくなり消化しやすい状態になります。
発芽玄米の作り方
丁寧に洗った玄米をボウル(鍋やタッパーでも)にいれて水か35度くらいのぬるま湯を注ぎ浸水させる。※ぬるま湯の方が早く発芽します。
水が濁って匂いがしてくるので、お水は途中で替えましょう。
夏ならば1日から2日/冬なら2日~3日
玄米が水を吸ってちょっと大きくなり、胚芽の部分が膨らんで先がちょこんととんがります。すべての玄米が同じようにならなくても、芽が出ていない玄米も発芽状態にはなっているので、ある程度目がとんがりでていたらオッケーです。
玄米だと圧力鍋や土鍋で炊く方が柔らかくて食べやすい仕上がりになりますが、発芽玄米だと炊飯器でも柔らかくおいしい仕上がりになります。
■玄米クリーム

玄米をお粥状にしてさらしでこしたものです。
ポタージュスープのような状態になっています。消化吸収しやすい状態になっているので離乳食にはもちろん、なんと母乳代わりにもなるといいます。
こどもだけでなく、断食後や病気時の食事にも使われるお手当にもなる食べ物。母乳育児中のママが食べると母乳の出もよくなるといわれています。
作り方をみてもらうとわかるのですが、時間と手間がかかります。時間が無い時は市販の玄米クリームもあるのでご安心を。

こちらは市販品の玄米クリームです。
材料
- 玄米・・・1/2カップ
- 水・・・・2.5カップ
- 塩・・・・ほんの少々(もしくは梅干し1/2個)
玄米クリームの作り方
- 玄米をそのままフライパンで香ばしく色づくまで弱火から中火で5~10分くらい炒る。
(気になる場合は洗って乾燥させてから炒りましょう) - 圧力鍋に玄米と水と塩を加えて火にかける。
圧力がかかったら、弱火にして40~50分炊き、火からおろして自然に圧が下がるまで待つ。
(土鍋で炊く場合は5カップの水を入れて、弱火で1時間~2時間ほど加熱し全体量が半分くらいになり玄米が柔らかくなるまで炊く) - 粗熱がとれたら(冷めきるとしぼりにくくなります)きれいなさらしやガーゼで絞り出し、鍋にうつして再加熱し濃度が均一になるように混ぜ合わせたら完成です。

母乳にも似た甘味を感じるため、子供たちは大好きです。

そのままたべるのはもちろん、月齢や年齢にあわせて、玄米甘酒と合わせたり、リンゴジュースを加えたり、フルーツをうかべてスィーツにしたり、お野菜を加えてクリームスープにしてもおいしく玄米をとりいれられます。やさしい甘味と滑らかな舌触りが癖になるからだもこころもみたされるごはんです。
生きる力を育てる自然派料理研究家。
4歳になる娘のママ。生きる力を育てるをテーマに子育て中のママにむけてお料理教室を開催。