電気釜がうちにやって来た頃:ごはんいろいろ、想いいろいろ。

電気釜がうちにやって来た頃:ごはんいろいろ、想いいろいろ。

最近のNHK朝ドラ、見てますか?やたらとごはんをほおばるシーンが出てくるのですが、そのごはん、電気釜で炊いてるんですよ。家にもあった、あの懐かしい電気釜が登場してました。


黒い台所に、白い電気釜が光っていた。

朝ドラの時代設定は東京オリンピックの昭和39年前後。奥茨城の田舎で育った主人公が集団就職で上京するところから始まっています。かなりの田舎であろう奥茨城でも台所に電気釜が置いてあります。ちょっと調べてみたら、昭和38年における電気釜の保有率は53%ですから、奥茨城の農家にあっても不思議はなさそうです。
我が家はどうだったか、思い出してみます。私が京都に引っ越したのは小学校1年の時だから昭和33年。引っ越した当時にはまだ電気釜は台所にいませんでしたが、冷蔵庫・洗濯機に続いて翌年ぐらいには電気釜が台所デビューしていたように思います。当時の家電三種の神器は「テレビ・冷蔵庫・洗濯機」でしたが、我が家ではテレビの登場が一番遅く、確か小学校3年の頃だった気がします。
家電は「白物」と言われますが、たしかに冷蔵庫も洗濯機も電気釜もみんな白でした。黒い五徳が付いたガスコンロや黒に近い灰色の流し台など、当時の台所は今のように明るくはありませんでした。ダークな色調の台所に置かれた電気釜はその白さでひときわ光って見えていました。

自動でスイッチが切れる、それだけで文明だった。

家にあったのは最初に電気釜を発売した東芝製のもの。父親は「あたらしもん好き」だったようで、発売間もない話題の新製品に飛びついたんじゃないでしょうか?それとも母親がおねだりしたのかな?当時の価格は3200円。朝ドラの主人公と同じ高卒女子社員の初任給が13000円弱ですから、現代の値段感覚で言えば、5万円ほどってとこでしょう。決して安い買い物ではなかったと思います。
写真は数年前にグリコのおまけで付いていた“タイムスリップ・グリコ”第2弾シリーズにあった「ちゃぶ台と朝ごはん」。横に置かれているのが東芝製の電気釜です。これと同じものが家にもあったんです。

夕方になると、お米を研いで内釜に入れてスイッチ・オン。黒く四角いスイッチをカチンと入れるのは僕の仕事。30~40分後に、パチンと音がして自動的にスイッチが切れると炊き上がり。洗濯機のようにタイマーを回してもいないのに何故スイッチが切れるのか、不思議でなりませんでした。後にサーモスタットという言葉を知りましたが、小学生の僕にとって近代テクノロジー初体験だったかもしれません。

ごはんが食卓の主役だった時代。

昭和30年代はコメの生産量も消費量も現代のほぼ2倍ありました。日本人が一番たくさんお米を食べた年は昭和37年で、ひとり当たり年間消費量は118.3kg。なんと月に5kg袋ほぼ2袋分の米をひとりで食べていた勘定です。カップ麺もハンバーガーもまだ世の中にはなく、家でパスタを食べる習慣もなかった時代ですから、主食は間違いなく「ごはん」だったのです。
まだ炊飯ジャーはありませんでしたから、ごはんは毎日炊くものでした。だからこそ、電気釜の存在価値は大きかったに違いありません。

その時代から半世紀。我が家の電気釜は四角くて黒い電子炊飯ジャーに変身しています。日本の自動炊飯器は、ついこの間まで中国人の爆買いの対象でした。あちらではまだまだごはんが主食の座を保っているのでしょうか。

この記事のライター

関連するキーワード


電気釜 家電 ごはん

関連する投稿


【ごはん歳時記 7月】土用の丑の日、なぜウナギ?

【ごはん歳時記 7月】土用の丑の日、なぜウナギ?

暑さに負けないごはんといえば、やっぱりうな丼。でもどうして「土用丑の日」=「ウナギ」になったんでしょうね?由来はともかく、夏のスタミナ食の元祖かも。


[代々木八幡/リトルバード]グルテンフリーカフェで米粉の可能性について考えた

[代々木八幡/リトルバード]グルテンフリーカフェで米粉の可能性について考えた

代々木八幡の「リトルバード」は外国人観光客に圧倒的な支持を得ているグルテンフリーカフェ。メインだけでなくスープや副菜もグルテンフリーという徹底ぶりがその人気の秘密です。今回Daisyはリトルバードで食事を楽しみながら、改めてグルテンフリーと米粉について考えてみました。


女子1人でも入れる!おいしい土鍋/かまどごはんランチのお店まとめ

女子1人でも入れる!おいしい土鍋/かまどごはんランチのお店まとめ

土鍋やかまどで炊いた炊き立てごはんは、ふっくらつやつやで格別の美味しさ。今回は全国の土鍋/かまどごはんのランチが楽しめるお店をご紹介します。お昼休みや旅先で、女子1人でも楽しめるお店を集めました♪


【ごはん歳時記 6月】梅雨から連想する食材は何?

【ごはん歳時記 6月】梅雨から連想する食材は何?

じめじめした梅雨の季節がやってきました。イヤですねえ。梅雨から食べ物を連想すると何に繋がりますか?梅雨→梅→梅干しでしょうか?この梅干し、梅雨時には欠かせない食材、かもしれません。


【ごはん歳時記 5月】五月晴れに似合う「かやくご飯」の「かやく」は何?

【ごはん歳時記 5月】五月晴れに似合う「かやくご飯」の「かやく」は何?

気持ちいい晴れの日が続く五月は、食欲も旺盛。白いごはんにいろいろな具材を加えると、ますますご飯が進みます。炊き込みご飯、お赤飯、チャーハン、ピラフ、おかゆ・・・・。ところで「炊き込みご飯」と「かやくご飯」、何が違うんでしょう?


最新の投稿


おにぎりで出会う食文化!「味覚の一週間」第7回インターナショナルBENTOコンクール

おにぎりで出会う食文化!「味覚の一週間」第7回インターナショナルBENTOコンクール

日仏交流160周年にあたる2018年。「味覚の一週間」第7回インターナショナルBENTOコンクールでは、ユニークで美味しいおにぎりのレシピをワールドワイドに募集します!


【お米クイズ】第28回:佐渡島の朱鷺(トキ)とお米の関係とは?

【お米クイズ】第28回:佐渡島の朱鷺(トキ)とお米の関係とは?

「これは知ってほしい!」五ツ星お米マイスター・小池 理雄が、皆さんへお米のトリビアを毎回楽しくお届けする「お米クイズ」。 第28回は佐渡島の朱鷺(トキ)とお米の関係についてです。


【リズラボキッチン 裏参道ガーデン】無農薬米粉100%のぷるふわパンケーキ

【リズラボキッチン 裏参道ガーデン】無農薬米粉100%のぷるふわパンケーキ

パンケーキブームが続き久しいですね。昨今の人気は、たっぷりホイップをトッピングしたハワイアン系ではなく、日本発のぷるぷるふわふわ生地のパンケーキが主流になっているように感じます。表参道にある米粉を使ったパンケーキ店「リズラボキッチン」が話題となっていると知り、早速取材してきました。


【お米クイズ】第27回:お米を研ぐ、とは?

【お米クイズ】第27回:お米を研ぐ、とは?

「これは知ってほしい!」五ツ星お米マイスター・小池 理雄が、皆さんへお米のトリビアを毎回楽しくお届けする「お米クイズ」。 第27回はお米を研ぐことについてです。


【糀屋 伊勢】お取り寄せで楽しめるヘルシースイーツ「糀ぷりん」

【糀屋 伊勢】お取り寄せで楽しめるヘルシースイーツ「糀ぷりん」

三重県伊勢市にある伊勢神宮のおひざ元に位置する、創業江戸文化13年という老舗の「糀屋」。醤油や味噌の醸造をしていた糀屋さんが作る糀を使ったこだわりのプリンはお取り寄せしてでも食べておきたいおすすめ糀スイーツです。 甘いものが苦手な方でも食べやすい甘さで、まるで和菓子のようなプリンです。手土産にも、自分へのご褒美にもおすすめの糀ぷりんをご紹介します。