秋深まる神無月「二十四節気七十二侯」神無月の暦

秋深まる神無月「二十四節気七十二侯」神無月の暦

10月の声を聞くと同時に、季節は一気に秋へと加速。朝晩は肌寒さを感じるほどになりました。ついこの間まで青々としていた田んぼが黄金色に色づき、あちこちで稲刈りが始まります。実りの季節を経て季節が冬へと移り行くのを肌で感じる頃、自然と共に生きる智恵が詰まった「二十四節気七十二侯」を目安に、地に足をつけて日々を暮らしていきましょう。


撮影「Takashi Maki」

撮影「Takashi Maki」

旧暦10月は別名「神無月」。八百万の神様が出雲大社に集まって神議(かみはかり)を行い、日本各地で神様が不在になることが「神無月」の由来。神様が集まる出雲地方だけは10月を「神在月」と呼ぶのだとか。
このほか「無」は「の」の当て字で本来は「神の月」だという説も。しかし、神々が一堂に会して出雲で会議を行うという由来の方が夢があるような気がします。会議のテーマは農作物や酒の出来を占うこと、そして人と人の縁を繋ぐこと。人間が生きる上で大切なことが、この神在月に話し合われると信じられてきたのでしょう。

一方、人間界は稲刈りの最盛期。コンバインが黄金色の田んぼを動き回り、稲刈りから脱穀までを一気に行う光景があちこちで見られます。また地方によっては、昔ながらのはざ掛けで稲を天日干しする懐かしい景色も。なんとも、のどかで豊かな気持ちになれる眺めです。

撮影「Takashi Maki」

二十四節気「寒露」10月8日~22日

「寒露」は、野の草木に宿る露。朝夕の冷えが大気中の水蒸気を露に変え、葉の先や花びらに宿ります。
台風が夏の名残を一掃、長雨も過ぎ去って秋がぐっと深まる頃、五穀の収穫もたけなわとなり農家が喜びにわく季節です。

初候は「鴻雁来(こうがんきたる)10月8日~12日」。夏鳥のツバメが南へ去り、入れ違いに冬鳥の雁が北から渡ってきます。その年に初めて渡ってきた雁は「初雁」と呼ばれ、古くから書画の題材として好まれ、また和歌や俳句にも読まれてきました。飛ぶ雁の姿を焼印で押した薯蕷饅頭にも、この季節ならではの和菓子です。
次候は「菊花開(きくはなひらく)10月13日~17日)」。菊の花の品評会や菊祭りが全国各地で開かれます。古来、菊は不老長寿の象徴。薬草として大陸から日本に渡って来た菊には解毒・消炎・鎮静の働きがあるとされ、生薬として用いられたといいます。
その流れを汲んでのことなのでしょう。旧暦9月9日の重陽の節句には、菊の花に真綿をかぶせ、翌朝に朝露を含んだ真綿をはずして体を拭い無病息災が願ったとか。また菊の花びらを浸した菊酒も長寿を願う縁起の良いものとされています。

続く末候は「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10月18日~22日」。このころになると大気の状態が安定し秋晴れの日が多くなります。夜には冴え冴えと美しい月を眺めることも。秋を惜しむように鳴く虫の声が耳に切なく響きます。

「寒露」のごちそう 新生姜ごはん

昨年は十三夜で栗ご飯
この頃、朝晩が急に冷え込んでくると体調を崩しがちです。薬膳の世界では、秋は「肺・心・脾・肝・腎」の五臓のうち「肺」の働きが盛んになる季節。「肺」を潤し温めることが養生の基本となるわけです。
それには、生姜や唐辛子などの薬味を上手に使って体の内側から温め、発酵食品やビタミン豊富な食材で免疫力を上げることが大切。そこで、今の時期に旬を迎える新生姜を美味しいごはんに。

生姜は夏が旬という印象がありますが、夏に出回るのは葉生姜やハウス栽培のもの。本来の旬は秋なのです。収穫間もない新生姜は、みずみずしくて辛味もフレッシュ。新生姜サッと茹で、出汁で炊いたごはんにサックリと混ぜ合わせるだけで、香りよく体の温まる一品が出来上がります。

二十四節気「霜降」10月23日~11月6日

季節は一気に晩秋へと移ります。朝晩は冷え込みが厳しくなり、日暮れが一層早く感じられるように。各地から初霜の知らせが届き、山は紅葉や色とりどりの実で彩られます。
里や町でも、そろそろ暖房が恋しくなる頃。次の二十四節気は早くも立冬、暦の上では冬に入ります。

撮影「Takashi Maki」

初候は「霜始降(しもはじめてふる)10月23日~27日」。草木に霜が降りる頃。農家は霜害対策に智恵を絞ります。次候は「霎時施(こさめときどきふる)10月28日~11月1日)」。パラパラと通り雨のように降る雨は別名「時雨」。初時雨は山の生き物が冬支度をはじめる合図だと言われてきました。ひと雨ごとに気温が下がり、冬が間近に迫っていることが感じられます。

末候は「楓蔦黄(もみじつたきばむ)11月2日~6日」。山は紅葉シーズン真っ盛り。秋の季語「山粧う」は言い得て妙。華やかに錦をまとったような山は、冬ごもり前に命の火を燃やすかのように美しく感じられます。

「霜降」のごちそう 秋あじごはん

この時期、気になるのが「あきあじ」。産卵のため生まれ故郷の川に戻ってくる鮭のこと。天然の生の秋鮭が並ぶのは、一年で今だけです。
その味わいを直球で楽しむには、シンプルな炊き込み御飯が一番。あらかじめ塩を振って余分な水分と臭みを除いた生鮭の切り身を、お米の上にのせて出汁で炊くだけ。炊き上がったら鮭をほぐしてさっくり混ぜ合わせれば出来上がり。イクラのしょうゆ漬けをトッピングすれば、秋のご馳走はらこ飯の完成です。
鮭はビタミンたっぷりで良質なタンパク質源。免疫力アップに役立つ食材と言われています。鮭の力でウイルスに負けない体を作りましょう。

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