収穫の季節到来「二十四節気七十二侯」10月の暦

収穫の季節到来「二十四節気七十二侯」10月の暦

暮らしの中で季節を感じる指標「二十四節気七十二侯」。古代中国で考え出されて日本に取り入れられ、長い年月を経て日本の気候風土に合うように調整されて、いまや日本人の暮らしに欠かせないものに。「二十四節気七十二侯」を知って、季節の移ろいをいち早く感じ取り、心豊かでな暮らしを育みましょう。


撮影「Takashi Maki」

撮影「Takashi Maki」

二十四節気「寒露」10月8日~10月22日

秋分から数えて15日め頃。「寒露」とは草木に冷たい露が宿る頃。秋の長雨が終わってすっきりとした秋晴れの日が続き、空気も澄んで朝晩は肌寒く感じるほどに。いよいよ本格的な秋の到来です。

みっちりと穂をつけた稲はきれいに刈り取られ、稲架(はさ)に架けられて天日を浴び、じっくりと美味しいお米に。稲架がある里山の風景は誰が見ても懐かしい日本の原風景。田畑の恵み、自然の営みに思わず感謝の念がわきおこります。
各地で収穫された新米も出回る季節。みずみずしく、ツヤツヤ炊き上がった新米は、この季節だけのお楽しみです。

撮影「Takashi Maki」

撮影「Takashi Maki」

初候は「鴻雁来 (こうがんきたる)10月8日~12日」。南へ帰るツバメと入れ違いに、雁などの冬鳥が来たからやってきます。
次候は「菊花開(きくのはなひらく)10月13日~17日)」。菊の花が咲き誇る頃となります。菊は古くから邪を払い不老長寿をもたらす縁起の良いものとされました。かつてはこの時期に当たる旧暦9月9日を「重陽の節句」とし、宮中では月を愛でる宴が催されたとか。この「重陽の節句」に欠かせないのが「被せ綿」です。これは、前の日の晩から菊の花に綿をかぶせて夜露とともに菊の香りを染み込ませ、朝起きたらその綿で体を拭い不老長寿を願うもの。菊の花を浸した菊酒を味わったり、乾燥させた菊の花びらを詰めた菊枕で眠ったりと雅な風習を真似てみるのも楽しいものです。

撮影「Takashi Maki」

続く末候は「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)10月18~22日」。戸口で秋の虫が鳴き始める頃となります。「蟋蟀」はコオロギのこと。コロコロと鈴を転がすような音色に深まりゆく秋を感じます。里にもまもなく霜が降りる頃、山が色づき始めます。

十三夜

旧暦9月13日。今年は10月11日に当たるこの日は「十三夜」と呼ばれ、旧暦8月15日の十五夜と並んで、美しい月を愛でる日とされてきました。別名「後の月」とも呼ばれ、十五夜と十三夜のどちらかが欠けても「片月見」と嫌われたとか。
この頃になると大気の状態が安定し、空は高く澄んで、夜になれば月や星が冴え冴えと輝きます。この日は天気が崩れにくいことから「十三夜に曇りなし」とも言われてきました。十三夜の月は満月よりほんの少し欠けていて、その風情を味わうもの。団子と一緒に栗や豆を備えることから「栗名月」とも呼ばれます。秋草とともに秋の収穫をそなえて方策を喜び感謝する。日本ならではの美しい習わしです。

十三夜のごちそう、栗ごはん

味覚から秋の深まりを感じさせてくれるのが、つやつやと光る栗。甘露煮、渋皮煮もいいかれど、ここは今年の新米とともに栗ごはんで楽しみましょう。
よい栗は、ツヤツヤと濃い茶色で、ふっくら丸みがあって重みを感じるもの。皮に穴が空いていないかもチェックしましょう。買ってきたら水に1晩つけておいて、水に浮いているものと沈んでいるものを選り分け、沈んでいるものだけを使います。
面倒な皮むきもレンジを使えば簡単。大きめの封筒に栗を入れて500wで2分ほど加熱します。1個が弾けてポンと破裂音がしたらレンジから出して皮をむきます。熱いうちにむけば皮も渋皮も一緒に向けて手間いらずです。
ごはんは、炊くときに昆布だしを加えると奥行きのある味わいに。あとは栗をのせて、いつも通りにお米を炊けば、ほっくり甘い栗ごはんの出来上がりです。

撮影「Takashi Maki」

二十四節気「霜始降」10月23日〜11月6日

立冬に向かって日暮れが一段と早くなり、朝晩の冷え込みが増して、北国や山では初霜が降り始める頃。冬を前に、山は鮮やかな紅葉に彩られます。
初候は「霜始降(しもはじめてふる)10月23日~27日」。霜は空気中の水分が冷やされて氷の結晶となり、地表面や草木についたもの。秋から冬へ移るこの時期は、どうしても体調を崩しがち。空気が乾燥し、口や喉の渇きも気になります。ちょうど収穫の最盛期を迎えるリンゴは、喉の渇きをを潤し乾燥を解消してイキイキした肌をもたらします。消化もよく、滞りがちな気の巡りを促す働きも。古くから「医者いらず」と言われるリンゴを食べて、元気に冬を迎えましょう。

撮影「Takashi Maki」

次候は「霎時施(こさめときどきふる)10月28日~11月1日」。霎とは秋から冬への変わり目にパラパラと降る通り雨で、別名「時雨」とも。初時雨は冬支度の合図。人間だけでなく、動物たちも來たる厳しい季節に備えます。
末候は「楓蔦黄(もみじつたきばむ)11月2日~6日」。紅葉や蔦が色づき、「山粧う」という季語の通り、山は錦秋に彩られます。北国では早くも白鳥をはじめとする冬鳥が飛来し、田んぼで稲の切り株から出た二番稲や落ち穂をついばむ姿が見られるように。季節は晩秋からいよいよ冬へと移ります。

この記事のライター

好きが高じて食をテーマに20余年、食べては書く日々を送るライター・エディター。

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