秋の気配が深まりゆく「二十四節気七十二侯」9月の暦

秋の気配が深まりゆく「二十四節気七十二侯」9月の暦

暮らしの中で季節を感じる指標「二十四節気七十二侯」。古代中国で考え出されて日本に取り入れられ、長い年月を経て日本の気候風土に合うように調整されて、いまや日本人の暮らしに欠かせないものに。「二十四節気七十二侯」を知って、季節の移ろいをいち早く感じ取り、心豊かでな暮らしを育みましょう。


撮影「Takashi Maki」

撮影「Takashi Maki」

二十四節気「白露」9月7日~9月22日

日中の暑さが和らぎ、朝夕にはめっきり過ごしやすくなる頃。
初候は「草露白(くさのつゆしろし)9月7日~11日)」。夜のうちに草木に降りた露が、朝日に白く輝く様はなんとも涼やかです。高く澄んだ空には絹のような雲がたなびき、次第に秋の気配が漂うように。田んぼの稲穂も色づき始め、実りの秋もすぐそこに来ています。

撮影「Takashi Maki」

続く次候は「鶺鴒鳴(せきれいなく)9月12日~16日」。
鶺鴒は伊奘諾伊奘冉の国生み神話にも登場する鳥で、別名「恋教え鳥」とも。住宅地でもよく目にする身近な鳥ですが、このうち白鶺鴒はかつて渡り鳥であったといい、夏に北に渡っていた白鶺鴒が戻ってくるのが今頃であったとされます。
この期間は多少のズレはあるものの旧暦の8月15日にあたり、古くから「中秋の名月」「十五夜」と呼ばれ、月を愛でる行事が行われてきました。今年の旧暦8月15日は9月13日。満月にはほんの少し足りませんが、大きな丸い月が夜空に浮かぶはず。ススキやお団子、里芋を備えて、虫の声を聞きながら心静かに月を眺めるのも一興です。

撮影「Takashi Maki」

さらに末候は「玄鳥去(つばめさる)9月17日~21日」に移ります。春に日本に来たツバメが子育てを終えて、南へ渡っていく季節。飛び立つツバメの姿に秋の深まりを感じます。

「白露」のごはん 秋刀魚

秋の味覚の代表格、秋刀魚。新鮮な秋刀魚は皮がピンと張って銀ピカ。背が青黒く光っています。脂が乗った秋刀魚はこんがり焼いて熱々をほおばるのが一番! ほぐした身を炊き上がったごはんに混ぜ合わせれば、美味しい秋刀魚ごはんにも。刻んだ秋ミョウガやいりごまを一緒に混ぜれば、なお一層おいしくいただけます。

撮影「Takashi Maki」

二十四節気「秋分」9月22日~10月7日

太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さがほぼ同じになるのが秋分の日。この日を境に日が短くなり、秋の夜長を実感できるように。この秋分の日はお彼岸の中日でもあります。「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉通り、日中に残っていた暑さも薄れ、ようやく本格的な秋が訪れます。

このお彼岸に欠かせないのが、おはぎです。あんこの材料である小豆は古くから魔除けの力を持つと言われ、日本の行事食に欠かせない素材。秋のお彼岸の時期は小豆の収穫期にあたるため、皮まで柔らかい新豆を丸ごと使って粒あんを作り、おはぎにしてきたのだとか。

秋分の初候は「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)9月22日~27日」。夏の間ゴロゴロとなっていた雷が治る頃。金木犀が金色の花を咲かせ、甘い香りを漂わせます。
続く次候は「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)9月28日~10月2日」。活発に動いていた虫たちが土にもぐり、冬ごもりの支度をはじめます。
さらに末候は「水始涸(みずはじめてかるる)10月3日~7日」田んぼから水を抜いて稲刈りの準備を始める頃です。黄金に色づいた穂が風に揺れる景色は実に美しいもの。瑞穂の国・日本ならではの景色を眺めるたびに出るのもオススメです。

撮影「Takashi Maki」

「秋分」のごはん 銀杏

この頃になると、そろそろ初物のギンナンが市場に出回り始めます。翡翠色に輝くギンナンは、ごはんにしても美味。
面倒な殻むきも、レンジを使えば簡単。ギンナンを紙封筒に入れて口をしっかり折ってレンジで1分。パンパンと弾ける音がしますが大丈夫。殻に亀裂が入っているので、そこから割れば簡単に身が取り出せます。
白だしで味つけして炊いたごはんに、ギンナンと白ごまを混ぜ合わせれば簡単ギンナンごはんのできあがり。秋の味覚を召し上がれ!

この記事のライター

好きが高じて食をテーマに20余年、食べては書く日々を送るライター・エディター。

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