【ご馳走!おみそ汁レシピ第11回】夏だけの味覚、空芯菜とみょうがのおみそ汁

【ご馳走!おみそ汁レシピ第11回】夏だけの味覚、空芯菜とみょうがのおみそ汁

露地ものの野菜は、旬の短い季節だけ出回るものが多いです。「空芯菜」もそのひとつ。中華料理で使われることがほとんどですが、もちろんおみそ汁でも美味しくいただけます。今回は夏の香味野菜「みょうが」と合わせて、見た目もお味も爽やかなお椀に仕上げてみました。


「ごちそう!おみそ汁レシピ」第11回は、この時期だけ出回る葉もの野菜「空芯菜(※)」のおみそ汁。栄養価も高く、夏の健康づくりにおすすめです。また、香り高い「みょうが」は、ホルモンバランスを整えるはたらきも。この時期はエアコンで体が冷えている方も多いので、熱い汁物で積極的に代謝を促し、体の中から活力をアップさせましょう。

※「空芯菜」は中国語ですが、日本では登録商標(第4343207号及び第4513683号)となっており、同じものが「ヨウサイ」、または「エンサイ」「あさがお菜」などの名称で店頭に並んでいることがあります。

原産地は東南アジア、沖縄でも栽培が盛ん

空芯菜(エンサイ)は、ヒルガオ科サツマイモ属。原産地は東南アジアで、台湾やタイ、ベトナムなどの旅行先で食べた人も多いでしょう。日本でも沖縄には昔から「ウンチェーバー」の名で自生しており、国産のものはほとんどが南方で栽培されています。収穫時期は7~9月。高温多湿の環境を好む野菜であるため、気温が低い地域では栽培が難しいと言われています。

豊富なβ-カロテンで免疫力アップ

空芯菜の栄養成分で、特筆すべきはβ-カロテン。体内で必要なだけビタミンAに変換されることで、細胞を活性酸素から守り、免疫力を高めるはたらきがあります。皮膚や粘膜を健やかに保ち、紫外線ダメージからの回復にも役立つため、美肌をめざす女性にはたっぷり摂っていただきたい栄養素です。

また、抗酸化にはたらくビタミンC、汗で失いがちなカリウム、各種ビタミンをバランスよく含むため、夏の健康維持にはぴったりの野菜と言えます。さらに、緑の濃い葉物野菜には、骨を丈夫にするカルシウムや鉄分も豊富に含まれています。骨粗しょう症が気になる方、貧血でお悩みの方は、ぜひたくさん召し上がってください。

茎の切り口。台湾では「通菜(トンツァイ)」とも呼ばれています。

みょうがの香りにはアロマテラピー効果が

冷奴や麺類の薬味に大活躍のみょうが。口にしたとき、ふっと鼻に抜けるような爽やかな香りが広がりますが、その成分は「αピネン(アルファピネン)」というもの。この成分は本来「木の香り」と言われるもので、ヒノキやスギなど針葉樹に豊富に含まれ、香りを嗅ぐことで森林浴やアロマテラピーの効果が期待できます。

さらに、抗菌・抗ウィルス・抗炎症作用にもはたらく「カンフェン」という香味成分が加わり、みょうがの独特な香りを形成しています。このカンフェンには痛みを緩和する作用があり、民間薬としてうがい薬などに用いられてきました。

辛みの元「ミョウガジアール」は健康成分

香りとならんでみょうがの味の特徴である、すっきりとした清涼感。これは辛味成分の一種である「ミョウガジアール」によるもの。生姜とよく似た血行促進効果があり、婦人科系のトラブルやホルモンバランスの乱れを整えるはたらきがあると言われています。

なお、よく言われる「みょうがを食べると物忘れがひどくなる」については、医学的な根拠は全くありません。釈迦の弟子の中で物忘れのひどい人が亡くなり、その墓から生えてきたのがみょうがであった、という説から来たものではないかと言われています。

「空芯菜とみょうがのおみそ汁」レシピ

作り方はごくシンプル。空芯菜は加熱時間の違う茎と葉を分けて煮ることと、熱で風味が飛びやすいみょうがを最後に入れることがポイントです。しっかり下ごしらえをしておけば、火を使う時間はあっという間で済みますよ。

手順

1.空芯菜を葉と茎に分けます

茎の下の方は筋張って固いことが多いので、やわらかい細い茎だけを使います。(取り除いた茎は炒めものなどにどうぞ)葉と茎はそれぞれ適当な大きさに切って、分けておきます。

2.みょうがは斜めスライスに

みょうがは縦半分に切り、さらに斜め45度のスライスに。最後にお鍋に入れますので、お皿にとってスタンバイしておきましょう。

3.茎→葉の順番で火を通します

お鍋に人数分の出汁を入れ、火にかけて沸騰したら空芯菜の茎を入れます。太さにもよりますが、約1分~2分ほど煮て火が通ったら、葉を入れて1分加熱します。

4.みょうがの前にお味噌を溶きます

ここで火を止めてお味噌を溶きます。今回はあっさり甘めの麦味噌を使用しました。みょうがの香りを生かすため、ごく薄味に仕立てて上品に。みそこしで漉しながら溶くと、よりさっぱりとした口あたりになります。

5.火を止めてみょうがを入れます

お味噌が溶けたら、再度火にかけて沸騰寸前で止め、みょうがを加えて器に盛ります。みょうがは汁に混ぜるだけで、煮る必要はありません。香りを飛ばさないよう、手早く食卓へ。

出来上がり。葉の緑とみょうがのピンクが素敵なコントラストです。食物繊維たっぷりなので、お腹の調子もすっきり整えてくれますよ。

今回のまとめ

旬の短い空芯菜は、店頭で見かけたときが調理のチャンス。ぜひ、おみそ汁だけでなく炒めものや麺類などにもトライしてみてください。また、みょうがも普段は薬味として少量を使うことが多いですが、せっかく豊富な栄養がありますので、いろんな料理にご活用ください。どちらもごはんとの相性はバツグンなので、おこめ好きな方にはおすすめの食材です。

ヨウサイ/クウシンサイ(空心菜)の栄養価と効能
https://foodslink.jp/syokuzaihyakka/syun/vegitable/kuushinsai3.htm

みょうがの栄養は?その成分や健康への効果・効能を解説!
https://kurashi-no.jp/I0020868

木材由来のにおい成分α-ピネンは人をリラックスさせる
https://www.ffpri.affrc.go.jp/research/saizensen/2017/20170309-03.html

ブッダと弟子 シュリハンドク
http://bukkyouwakaru.com/buddha/buddha1.html

この記事のライター

料理記者を経て、飲食店経営や化粧品会社のマーケティングの経験をもつ。
根っからのごはん党です。趣味は世界の美味しいものを食べ歩くこと。
飲食店経営者として厨房に立っていた経験から、レシピ開発のお仕事もさせてい
ただいています。

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