二十四節気七十二侯って何?

二十四節気七十二侯って何?

「二十四節気」という言葉をご存知ですか? これは古くから季節の指標とされたもので、もともとは古代中国で考え出されました。 「二十四節気七十二侯」を知ることは、私たちの暮らしや食文化を育んできた日本の気候風土を知ること。 これから毎月、二十四節気と七十二侯を中心に日本の暦を振り返りつつ、米づくりに関する節目、伝統行事や各地の祭り、梅しごとや味噌作りなど暮らしに関する行事を見ていきましょう。また、節気ごとに旬を味わうごはんもご紹介します。


二十四節気七十二侯って何?

撮影「Takashi Maki」

「二十四節気」という言葉をご存知ですか?
これは古くから季節の指標とされたもので、もともとは古代中国で考え出されました。
太陽が移動する道を夏至と冬至で2等分し、さらに春分と秋分で分けて4等分に。それぞれの中間に立春、立夏、立秋、立冬を入れて「八節」とします。その「一節」をさらに3等分したものが「二十四節気」。つまり、太陽が移動する道を24等分したものが「二十四節気」なのです。
「一節気」は15日間。約半月ごとに繊細な季節の変化を知る目安とされ、農作業の目安にもされました。

撮影「Takashi Maki」

この「一節気」をさらに約5日ずつに分けて気象の変化、動物や植物の動きを知らせるのが「七十二侯」。
古代中国のものをベースにしつつ、日本の気候風土に合うよう調整されてされて現在に至ります。いま利用されているのは、明治時代にアレンジされたもの。日本の食文化の根幹をなす米づくりに関連した言葉も多く見られ、長年日本人に親しまれてきました。

撮影「Takashi Maki」

「二十四節気七十二侯」を知ることは、私たちの暮らしや食文化を育んできた日本の気候風土を知ること。
これから毎月、二十四節気と七十二侯を中心に日本の暦を振り返りつつ、米づくりに関する節目、伝統行事や各地の祭り、梅しごとや味噌作りなど暮らしに関する行事を見ていきましょう。また、節気ごとに旬を味わうごはんもご紹介します。
巡る季節に目を向けて、日本の自然や暮らしに思いを馳せてみませんか。

撮影「Takashi Maki」

六月の暦

二十四節気「芒種」6月6日~6月20日

芒(のぎ)はイネ科の植物で、花の先についている針のような突起を指し「芒種」は稲など穂の出る植物の種を蒔く季節を意味します。古くは田植えを始める目安とされました。
現在ではもう少し早い時期に田植えが始められるところが多く、6月には若い苗が水田にそよいでいますが、お米の国・日本にとって「芒種」は今も昔も変わらず大切な季節。田植え神事など、田の神に豊作を祈り神事が各地で行われます。

撮影「Takashi Maki」

また、梅雨入りを間近に控えて蒸し暑くなってくる時期。本格的な梅雨に入る前に、家中の湿気&カビ対策を! 特にキッチンで注意すべきはお米。忘れがちですが、お米にとって湿気は大敵。風味が損なわれたり、カビや害虫の原因にも。
袋のまま放置せず、必ず密封雨できる容器に移すこと。湿気対策の備長炭た珪藻土を使った天然の乾燥剤、害虫よけの唐辛子を入れて保管しましょう。

撮影「Takashi Maki」

七十二侯は、第二十五候「蟷螂生」(6月6~9日)、第二十六候「腐草為蛍」(6月10日~15日)、第二十七候「梅子黄」(6月16日~20日)と移ります。
「蟷螂生(かまきりしょうず)」は、秋に産み付けられた卵から小さなカマキリが生まれてくる頃。田畑の害虫を食べてくれるカマキリは農家の強い味方。農業が中心の社会では、それだけ大切にされていたのでしょう。
「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」は、ホタルが飛び交う頃。水辺の土の中でサナギになり、羽化して地上に現れる様子を、昔の人は朽ちた草がホタルになると考えたのでしょう。
「梅子黄(うめのみきばむ)」は文字通り、梅の実が黄色く色づき始める頃。そろそろスーパーでも梅干しが出回ります。

雑節「入梅」6月11日

本格的な梅雨に入ると、完熟梅が市中に出回る季節となります。昔から「梅はその日の難逃れ」と言われ、梅を食べれば災厄を免れるとされたもの。昔の人も、食中毒防止や疲労回復の効果を経験的に知っていたのでしょう。
完熟梅で仕込む梅干し、その過程で得られる梅酢は、調味料としても万能選手。これを機に梅仕事に挑戦しませんか?

撮影「Takashi Maki」

2019年6月「芒種」節気のごはん

梅酢ごはん

次第に気温も湿度も上がる季節。ごはんも傷みやすくなります。そこで、オススメなのが梅酢を加えて炊き込んだおこわ。炊き上がりに梅の香りがほんのり漂います。梅肉や旬の釜揚げしらすを混ぜ込めば、さらに食欲を呼び覚まします。

二十四節気「夏至」6月21日~

一年で最も太陽も最も高くに位置し、昼の時間が長い1日。冬至と比べると、その差はなんと4時間以上! 三重県伊勢の二見浦にある二見興玉神社では夏至祭が行われ、夫婦岩の間から昇る朝日を拝しながら海水で身を清めます。
七十二侯は、第二十八候「乃東枯」(6月21日~25日)、第二十九候「菖蒲華咲」(6月26日~30日)となります。
「乃東枯(なつかれくさかるる)」は、冬至に芽を出す生薬・ウツボグサが枯れる頃という意味。「菖蒲華咲(あやめはなさく)」は花菖蒲が盛りとなる頃。各地の花菖蒲園が見頃を迎えます。

「夏越の祓」6月30日

この日は1年の折り返し地点。各地の神社で半年間の罪穢れを払い落とす神事「夏越の祓」が行われます。茅萱で編んだ輪「茅の輪」を作法に則ってくぐり、心身を清めて厄を祓い、残り半年間の無病息災を祈るもの。
京都を中心に、この夏越の祓に欠かせないのが「水無月」という和菓子。甘く煮た小豆を隙間なくういろうに載せたもので、三角形に切り分けられた形状が氷片をあらわし、小豆が邪気を払うとも。
茅の輪をくぐり、水無月で邪気を払って蒸し暑い梅雨を乗り切りましょう!

2019年6月「夏至」節気のごはん

新生姜のごはん

色白できめ細やかな新生姜が出回るこの季節、鮮烈な香りを楽しむ新生姜のごはんはいかがでしょう。
白だしでごはんを炊いて、炊き上がりに皮ごと千切りにした新生姜を混ぜるだけ。ピリッとした辛みとシャキシャキした食感が魅力。さっぱりとした食べ心地で、梅雨時で食欲が落ちた時にもぴったりです。

この記事のライター

好きが高じて食をテーマに20余年、食べては書く日々を送るライター・エディター。

関連する投稿


「二十四節気七十二侯」7月の暦

「二十四節気七十二侯」7月の暦

古代中国で考え出されて日本に取り入れられた、季節の指標「二十四節気七十二侯」。長い年月をかけて、日本の気候風土にフィットするよう調整され、日本人の暮らしに親しまれてきたもの。「二十四節気七十二侯」を知ることは、私たちの暮らしや食文化を育んできた日本の気候風土を知ることでもあります。


最新の投稿


「二十四節気七十二侯」7月の暦

「二十四節気七十二侯」7月の暦

古代中国で考え出されて日本に取り入れられた、季節の指標「二十四節気七十二侯」。長い年月をかけて、日本の気候風土にフィットするよう調整され、日本人の暮らしに親しまれてきたもの。「二十四節気七十二侯」を知ることは、私たちの暮らしや食文化を育んできた日本の気候風土を知ることでもあります。


【ご馳走!おみそ汁レシピ第13回】真夏の冷たいおみそ汁、ツナ缶の「冷汁」

【ご馳走!おみそ汁レシピ第13回】真夏の冷たいおみそ汁、ツナ缶の「冷汁」

昼も夜も暑さが続いて、食欲減退している方も多いのではないでしょうか。そんなとき、さっぱりと栄養が摂れるお助けメニューが「冷汁」です。宮崎の郷土料理で、本式は少々手間がかかりますが、ご家庭で手軽に作れるようツナ缶でアレンジしてみました。お好みの香味野菜と合わせて、夏の食欲増進にお役立てください。


【お米クイズ】第57回:お米の品種と用途

【お米クイズ】第57回:お米の品種と用途

「これは知ってほしい!」五ツ星お米マイスター・小池 理雄が、皆さんへお米のトリビアを毎回楽しくお届けする「お米クイズ」。 第57回はお米の品種と用途についてです。


【ご馳走!おみそ汁レシピ第12回】甘くてクリーミー!とうもろこしの「すり流し」

【ご馳走!おみそ汁レシピ第12回】甘くてクリーミー!とうもろこしの「すり流し」

とうもろこしの美味しい季節。茹でたり焼いたりもいいですが、汁物もおすすめです。今回はトロリとまろやかな「すり流し」に仕立ててみました。一般的なおみそ汁とは見た目もお味もずいぶん違いますが、お出汁と味噌で作った立派なおみそ汁の一種です。旬の甘いとうもろこしで、ぜひお試しください。


【お米クイズ】第56回:作況指数とは

【お米クイズ】第56回:作況指数とは

「これは知ってほしい!」五ツ星お米マイスター・小池 理雄が、皆さんへお米のトリビアを毎回楽しくお届けする「お米クイズ」。 第56回は作況指数についてです。