おいしい日本酒をつくる”酒米”まとめ

おいしい日本酒をつくる”酒米”まとめ

”酒米”という言葉をご存知ですか?一般的には日本酒の原料として使われているお米のことを酒米と称しています。その中でも、大粒で心白(しんぱく)というお米の中心に白色透明の部分があるお米を「酒造好適米」といい、昔から日本酒造りに適した特別な酒米として好まれています。酒造好適米の品種から美味しい日本酒を選ぶのも楽しいですよ!


※文中品種・銘柄の表記が混在しておりましたので、加筆修正をいたしました。(2018/7/23)

世界中から愛される日本酒

世界の和食ブームの波にのり、日本酒の輸出量は毎年増加し続けています。輸出先もアメリカ、韓国、台湾、香港、中国など多岐にわたっています。そして、輸出金額は、平成27年には10億円になり、10年前の約3倍。おいしい日本酒が世界中で愛されているのが分かります。
参考:農林水産省 http://www.maff.go.jp/j/seisaku_tokatu/kikaku/pdf/07shiryo_04.pdf

お酒づくりの原料となるお米は?

日本酒の原料として使用される米は、主に二種類あります。
ひとつめは麹造りに使用される酒米(酒造好適米など)、ふたつめは 仕込みに使用する「かけ米」(主食用米、加工用米など)です。
平成26年の日本酒原料米の使用量は約25万トン、その内、酒米は36%の約9万トンとなっています。一方、新潟県南魚沼市の銘酒「八海山」は酒米の割合を45.3%まで上げて味を追求するなど、こだわりが酒米の使い方にも表れています。

酒造好適米の特徴

酒造好適米の特徴は、日本酒造りの工程である「精米」をしてもしっかり大粒であること、「心白」と呼ばれる米の中心部の白く不透明な部分が大きいことです。この心白はよく水を吸うので、蒸し上がった時に麹菌が繁殖しやすく、良質の麹ができるのです。

心白部はデンプンが少なく柔らかい部分で、麹菌の菌糸が中に伸びやすく、強い酵素力のある麹が出来、酒母、醪での糖化も良いです。

酒造好適米の品種は?

気になる酒造好適米の品種として、「山田錦」「五百万石」の生産量が全体の約6割を占めています。その他に「美山錦」「雄町」「出羽燦々」「愛山」などがあります。

山田錦

酒米の生産量36%を占める「山田錦」の中でも6割以上は兵庫県産です。最高峰の原材料として、その酒米の名前を冠した日本酒があるほど。

山田錦は数多くの優れた醸造適性を持つことから“酒米の王者”といわれ、
酒米を代表する品種のひとつです。
山田錦の栽培地は全国各地に広がっていますが、
その中でも兵庫県産の山田錦は別格の品質であると評されています。

五百万石

山田錦に次ぐ酒米の生産量を誇る「五百万石」は、新潟県産がその半分を占めます。昭和32年に新潟で生まれた品種ですが、その同年に新潟県の米生産量が500万石に突破したことを記念して名づけられました。

株式会社一本義久保本店
五百万石で醸した酒は「芯の強さ」が特徴です。一本義銘柄では「上撰本醸造(掛け米に福井県内産酒造用水稲うるち米を使用)」や「純米酒」などの定番酒、伝心銘柄では、「土」「雪」などでお楽しみいただけます。

「新200号」と「菊水」の交配で生まれた「五百万石」は富山県、福井県などでも生産され、その土地の酒蔵で醸造される良質な日本酒をつくる”酒米”として使われています。

美山錦

「美山錦」の主な生産地は美しい山々に囲まれた長野県。雪のように真っ白な心白があることから命名されたそうです。秋田、山形、岩手などでも生産されています。

山形の銘酒として有名な「くどき上手 純米大吟醸 美山錦」は山形庄内の美山錦で仕込んだ日本酒で、亀の井酒造の定番商品として日本酒好きに愛されています。
酒蔵こだわりの「小川10号」の酵母を使用したことで、まろやかで柔らかみのある繊細な味わいに仕上がっているのが特徴です。

亀の井酒造株式会社
純米吟醸『くどき上手』が全体の7割を越え、蔵内平均精白50%の全量吟醸酒を製造している。貯酒・貯蔵用に200坪以上の冷蔵設備を整え、消費者ニーズに対応すべく鮮度管理に自信を持ち、品質アップに努力している。

雄町

「雄町」のほとんどの生産を担う岡山県。その歴史は古く、江戸時代末期にさかのぼります。「山田錦」や「五百万石」などの親として重用された歴史もある。日本の酒米のルーツといえます。

こくがあり、しっかりしたお米の旨みが特徴とされる「御町」は背丈が180センチほどと他の品種に比べて高いため、雨風や病虫害に弱く、栽培に手間がかかる為、一時期衰退したものの、岡山県の酒造メーカーを中心に栽培を復活させて、品質の高さから再評価されています。

雄町米といえば岡山を代表する酒造好適米(酒米)です。
雄町米は、江戸時代の末期安政6年、備前国上道郡雄町村の篤農家、岸本甚造が大仙参拝の帰り道に偶然見つけた二本の背の高い穂を持ち帰り、選抜を重ねて慶応2年に育成したといわれています。

出羽燦々

山々に囲まれ名水に恵まれた山形県から生まれた「出羽燦々」は、山形県が11年の歳月をかけて研究開発した結果生まれた、山形オリジナルの酒米です。

酒米「出羽燦々」をはじめ、麹・酵母など原料すべてが山形県産のものを使用し、かつ一定水準以上の酒質に合格した日本酒のみに青いDEWA33シールが貼られています。「出羽桜」はその代表格として全国的にも名をはせる銘柄です。

玄米の外側に多く存在するたんぱく質などの成分を減少させることで、雑味のない綺麗な味わいが生まれます。委託精米が主流の中、出羽桜は自社の精米場で丁寧に米を磨きます。玄米の重量に対して、白米として残った割合を精米歩合といい、出羽桜は平均で50%まで磨きます。

愛山

近年話題になっている酒米の「愛山」。1941年に兵庫県立明石農業改良実験所で「愛船」と「山雄」を交配して作られた酒米です。
山形県の銘酒「十四代」が愛山を使用したことで有名になったと言われています。栽培が難しいことでも有名で兵庫県の一部の農家しか栽培しておらず、日本一高額な酒米とも言われています。
日本酒好きの中では愛山ファンが数多く、甘みと旨味を生かした日本酒が人気です。

「愛山」の歴史
栽培が難しいといわれる山田錦と比べても粒が大きく、背が高いため、より栽培が難しい銘柄なために、一時農業実験所でも試験が中止されるということもあったほどです。その後、兵庫県の一部の農家と契約した「剣菱酒造」がひっそりと栽培を継続、当然ですが独占的に愛山を使用した日本酒を醸してきた関係で、他の蔵がこの米を使うことはありませんでした。

愛山 クラウドファンディング風 酒米作り

茨城県にある大嶋農場では「クラウドファンディング風酒米作り」というユニークな米作り企画があります。酒米の「愛山」を自ら育てて、茨城県の磯蔵酒造で仕込み、自分だけのお酒を楽しめるという体験型のプロジェクトです。
大嶋農場での5月の田植え、10月の稲刈り、そして12月には酒蔵見学を体験し、平成30年1月以降に完成予定の日本酒4合瓶4本がプロジェクトのリターンとなります。
※参加費は1口1万円(200口限定)、2017年4月30日申し込み締め切り。
http://www.hyakusyoumai.com/html/cloud.html

クラウドファンディング風酒米作り
幻の酒米「愛山」の米作りに参加してみませんか?田植え、稲刈り体験を通じて自分で育てた「愛山」を茨城の磯蔵酒造で仕込み、自分だけのお酒を楽しむ。そんな参加企画です。

この記事のライター

日本全国のお米の銘柄を食べるのが夢。おにぎりが大好き!具は鮭推し。1児のパパ。息子にもごはん好きになってほしいな!

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