【ご馳走!おみそ汁レシピ第3回】年に一度の「新わかめ」をおみそ汁で

【ご馳走!おみそ汁レシピ第3回】年に一度の「新わかめ」をおみそ汁で

わかめは一年中いつでも手に入る食材ですが、実は旬の時期があります。海水温が上昇する春に収穫された「新わかめ」は、塩蔵や乾燥などの加工をせず、生のままで市場に出回ります。この時期だけの若々しい味わい、ぜひ美味しいおみそ汁で堪能してください。


栄養豊富な旬の新わかめをおみそ汁で堪能!

「ごちそう!おみそ汁レシピ」、第三回のテーマは「わかめ」。
春の「新わかめ」は、乾燥わかめや塩蔵わかめと比べると、肉厚でサラダのようにフレッシュな食感が特徴です。話題の健康成分「フコイダン」や、ビタミン、海のミネラル豊富で、ごはんの炭水化物をサポートしてくれるのが嬉しいところ。さっと下ごしらえをして、いろんなお料理に活用できますよ。

わかめは一年草、夏に枯れます

わかめは海水温が下がる秋から冬に海中で発芽し、暖かくなると急成長し夏には枯れてしまいます。このサイクルの中で、若葉の時期を狙って収穫したのが「新わかめ」。それを乾燥させたり塩漬けにしたものが、よくスーパーで見かける保存用のわかめです。
地域によって異なりますが、3月から5月が収穫の最盛期で、そのときだけ出回る生の「新わかめ」は、食感も味も格別。ぜひ味わっておきたい旬のグルメです。

鳴門わかめと三陸わかめは有名

わかめは日本国中、広い範囲の海で生育します。その中で、特に有名な産地が「鳴門」と「三陸海岸」。環境が厳しいほど美味しいわかめが育つとも言われ、葉の形や味も産地によってそれぞれ違いがあります。
なお、海藻類は色で三つに分類され、アオサやアオノリなどは緑藻類、紅色のアサクサノリやテングサは紅藻類、わかめは昆布と同じ褐藻類になります。それぞれの色素には特有の栄養分が含まれ、医学的な効能が近年研究者の間で注目されています。

驚くべき、豊富なわかめの栄養

人間にとって欠かせない食物繊維。わかめには、水溶性と不水溶性、どちらの食物繊維も豊富に含まれています。水に溶けない不水溶性の食物繊維は、特に便秘気味の方にはしっかり摂っていただきたいお腹のクリーナー。低カロリーなので、ダイエット中の方にもおすすめです。
また、わかめの「ぬめり」の元である水溶性食物繊維は、血圧やコレステロールの上昇を抑える「アルギン酸」や、がん予防の研究が活発な「フコイダン」を含んでおり、健康に意識が高い人々の間で注目の的です。
さらに、海洋性ミネラルやヨウ素、ビタミン類も含まれているわかめは、海のスーパーフード。ふだんから積極的に取り入れたい食品です。

「新わかめのおみそ汁」レシピ

それでは、新わかめのおみそ汁を作りましょう。生のわかめは傷みが早いので、新鮮なものを買って、なるべく早く調理してください。もし、その日に食べない場合は、下処理をして冷凍をしておくこともできます。

手順

1.茎わかめと葉に切り離します

わかめは流水で洗い、砂や小さなごみを取り除きます。次に、まな板にわかめを広げて茎と葉を切り離します。おみそ汁では葉の部分だけを使いますが、茎は「茎わかめ」として調理できますので、ぜひ捨てずに有効活用してください。

2.たっぷりのお湯でさっと茹でます

お鍋にたっぷりのお湯を沸かし、わかめを入れてさっと茹でます。時間は10秒くらいで大丈夫。葉の色が変わったらすぐに引き上げ、流水で熱を取ります。茹ですぎると歯ごたえがなくなり、ぬめりが出ますので注意しましょう。

3.しっかりと水切りして切ります

わかめをざるに上げ、しっかりと水切りをします。水が切れたら、適当な大きさに切ってください。つい丸めた状態のまま包丁を入れがちですが、少し面倒でも葉を広げて切ると、均等な大きさにカットできて仕上がりがきれいです。

4.お鍋に入れたらすぐ火を止めて

人数分のお出汁を火にかけ、お味噌を溶き入れて味を調えます。沸騰直前でわかめを入れ、すぐに火を止めて器に盛ります。
もし他の食材と合わせるなら、お出汁の段階で加えてください。わかめにはお豆腐が定番ですが、今回はしいたけの薄切りと合わせました。わかめの磯くささをしいたけの香りがカバーして、食感にもアクセントがプラスされます。このほか、穂先たけのこやうどなども、わかめと好相性です。

使ったお味噌はこちら。鹿児島産の麦味噌です。まろやかなコクのある甘口で、わかめのやさしい風味によく合います。

塩蔵わかめについて

新わかめが手に入らない時期は、塩蔵わかめがおすすめです。塩蔵わかめは、新わかめを熱湯で下処理し、大量の塩をまぶして脱水させたもの。上手に戻せば、新わかめに近い歯ごたえが楽しめます。
使うときは水で表面の塩を洗い流し、真水の入ったボウルで塩抜きをします。1分ごとに水を取り替え、3回繰り返したあと、軽くもみながら流水で洗ってざるで水切りします。

注意点としては、戻すと3倍になるため量を加減することと、水に長時間つけておかないこと。真水を含みすぎるとぬめりが出て、せっかくの食感が失われます。

「わかめごはん」もぜひ召し上がれ

新わかめは歯ごたえがよく、「わかめごはん」にしても美味しくいただけます。冷めても風味が落ちないので、お弁当にもぴったりです。

1.
下処理した生わかめを細かく刻み、そのまま食べておいしい程度に塩と薄口しょうゆで味付けします。これをペーパータオルで包み、軽く握って水分を取り除きます。

2.
炊き立てご飯に1を混ぜれば出来上がり。分量はごはん1合につき、わかめお玉八分目程度。一緒に刻みごまを混ぜると風味が際立ちます。

今回のまとめ

万葉集にも「和可米」「稚海藻」、「和海藻(にぎめ)」として登場するわかめ。古代から神への貢物や朝廷への献上品、給与としても用いられていた歴史があるそうです。今も昔も、海洋国である日本にとって大切な食べ物であることは変わりないですね。

総説「海藻の色」広田望
https://www.jstage.jst.go.jp/article/cookeryscience1968/13/4/13_256/_pdf/-char/ja

わかめの栄養 真崎わかめ
http://www.masaki-wakame.com/wakame-beauty.html

万葉集(Wiki)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%AB%E3%83%A1

この記事のライター

料理記者を経て、飲食店経営や化粧品会社のマーケティングの経験をもつ。
根っからのごはん党です。趣味は世界の美味しいものを食べ歩くこと。
飲食店経営者として厨房に立っていた経験から、レシピ開発のお仕事もさせてい
ただいています。

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