【ご馳走!おみそ汁レシピ第1回】いつもの「お出汁」をワンランクアップ

【ご馳走!おみそ汁レシピ第1回】いつもの「お出汁」をワンランクアップ

おいしいお出汁(だし)をマスターしたら、毎日のおみそ汁とごはんがご馳走に。今回はおみそ汁の基本となる、いりこ出汁の超かんたんレシピや、かつお、昆布、しいたけなど、それぞれのお出汁の特徴をご紹介します。お出汁は冷凍保存も可能なので、1回分ずつ分けて冷凍すれば忙しい朝も手間いらずですよ。


【はじめに】おみそ汁に合うお出汁を知ろう

「ご馳走!おみそ汁レシピ」第一回は、おみそ汁のベースとなる「お出汁」のお話です。

ごはんのパートナーと言えば、やはり「おみそ汁」。栄養たっぷりの発酵食品「味噌」と野菜の組み合わせは、健康や美容の面からも優秀です。
このコーナーでは、季節の食材を使ったおみそ汁レシピや、より美味しくいただくアイデアをご紹介します。ぜひおみそ汁のバリエーションを増やして、毎日のお献立にお役立てください。

どんな種類のお出汁があるの?

おみそ汁を作るとき、どんなお出汁を使っていますか?
同じ具材でも、お出汁とお味噌が変われば味は大きく違います。ぜひその特徴を生かして、美味しい組み合わせを発見してください。

いりこ出汁

最も一般的におみそ汁に使用されているのが「いりこ」です。
まるごとの魚から出る濃い旨味が特徴で、味噌との相性が抜群。地方によっては「煮干し」とも呼ばれ、原料はカタクチイワシが主ですが、マイワシなども使用されることがあります。また、アジやトビウオ、鯛などもいりこに加工されることがあり、それぞれの風味の違いを楽しむことができます。

かつお出汁

上品で香り高いお出汁を好まれる方には、かつお出汁が人気です。
多くの場合、昆布と合わせて使われることが多く、手軽なだしパックもスーパーで手に入ります。もし、ご家庭で削り節からお出汁を取る際には、できるだけ新鮮なものを使うのが美味しく作るコツ。かつお節は削ってしまうとお味の劣化が早く、臭みが出やすくなってしまいます。

精進出汁

もともとはお寺の精進料理に使用される、植物原料のみで作られたお出汁です。
最近はベジタリアンの方が増え、急速に需要が高まっています。用いられるものは、昆布をはじめとした海藻類、干し椎茸、豆や乾物など様々で、あっさりとして淡白な風味が野菜の持ち味をいかし、自然な甘みを引き出すと言われます。

【基本】いりこ出汁(水出汁)のレシピ

おみそ汁によく合う、いりこ出汁の取り方をご紹介します。
粉末の出汁の素も手軽でいいですが、やはりひと手間かけたお出汁は、香りもお味も格別です。今回は冷蔵に入れておくだけで出来上がる、かんたん「水出汁」の作り方をご紹介します。

4人分の目安です。

手順

1.
蓋の閉まる容器にいりこを入れ、水を注いで冷蔵庫に5~6時間置きます。分量の目安は、いりこひとつまみに対し水100~120mL。少量の昆布を足すと、旨味がグーンとアップします。

2.
水に浸したいりこを冷蔵庫から取り出し、目の細かいザルでこしたら出来上がり。濃厚な旨味成分が凝縮された、とても贅沢なお出汁です。煮出さないため魚の臭みも気になりません。ただし、傷みやすいのですぐに使い切るようにしましょう。

3.
もっと丁寧に作るなら、水に浸す前にいりこの頭と内臓を取り除き、手で裂いておくと、すっきり雑味のないお出汁になります。

【応用】パンチのある、煮出しいりこ出汁のレシピ

水出汁は美味しいエキスの上澄みを取る方法ですが、いりこの味をまるごと味わいたい方には、煮出しがおすすめです。水出汁より時間がかからないので、すぐに使いたいときにも便利です。

手順

1.
いりこは、頭と内臓を取り除き手で裂きます。煮出すときには必ずこの下処理を行ってください。そのままですと、苦みと魚臭さが出てしまいます。

2.
いりこひとつまみに対し、水180~200mLの目安で鍋に入れ、30分~できれば1時間浸します。昆布を少量加えると、より美味しいお出汁になります。

3.
鍋をやや強めの中火にかけます。昆布を入れた場合は沸騰直前で引き上げ、沸騰したら中火に落として、アクをすくいながら10分ほど煮出します。

4.
ザルでこしたら出来上がり。いりこを入れたままおみそ汁に調理するご家庭もあるようです。

いりこの豆知識

いりこには大きさのランクがあり、小さいものから順にちりめん、かえりちりめん、小羽、中羽、大羽と呼び名が変わります。販売店によっては、さらに細分化された呼称がある場合も。

この中でお出汁に適しているのは、かえりちりめん以上。大きくなるほどお味が濃厚で力強くなるため、具材や味噌との調和を考えて選ぶようにしましょう。

ちなみに、お正月にいただく「田作り」もいりこの仲間。いりこは釜で茹でて干しますが、田作りは茹でずにそのまま日干しにしたものをいいます。これら小魚の丸干しは「イノシン酸」という旨味成分を豊富に含有するため、コクのあるしっかりとしたお出汁が取れるのです。

今回のまとめ

おみそ汁は美味しいだけでなく、冷蔵庫の余り野菜を食べきるのにも役立つメニュー。保温ジャーに入れてお弁当のおともにもぴったりです。近年の研究では、脂肪燃焼や美容効果も注目されているそうで、ごはん派には嬉しい限りですね。

この記事のライター

料理記者を経て、飲食店経営や化粧品会社のマーケティングの経験をもつ。
根っからのごはん党です。趣味は世界の美味しいものを食べ歩くこと。
飲食店経営者として厨房に立っていた経験から、レシピ開発のお仕事もさせてい
ただいています。

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