資料:品種改良技術の進歩

資料:品種改良技術の進歩

水稲の育種は、多収・良質・強稈・耐病・耐冷などを目標に品種改良されてきた。 近年では、良質良食味へと志向が変わり、育成されてきているが、これからは加工適性や 低コスト生産に優れた品種への改良が求められ、課題は極めて多い。


1. 純系分離法

圃場に1本植をして、各株別に採種をし、これを翌年別々な系統として育て、それら多くの 系統の中から、その地方で最も望ましい系統のみを選抜し、それを増殖、固定を図る方法。
■例:朝日

2. 交雑育種法

人工交配により、品種の優良特性を組み合わせる方法。
通常、一つの品種を育成するのに10年以上の長い年月を必要とするが、温室内で年に 3世代の促進を行い、育種年限を短縮する技術(世代促進法)が取入れられるようになった。
■例:コシヒカリ・ひとめぼれ

1. 系統育種
A・B両品種を交配し雑種第二代で優良な個体を選抜し、その個体を採種して 各々の特徴を持った系統の中から、希望にかなう系統を選抜する方法。
2. 集団育種法
系統育種法では、収量などの改良を考えると不利であることから、雑種第一代~第三代の 初期世代は個体選別をせず、雑種集団で経過する方式。

3. 突然変異育種法

原子力の平和利用の一環として、放射線による突然変異を育種に利用。 コバルト60によるガンマー線照射によって、早生や稈長の短い突然変異が得られやすい。
■例:レイメイ・関東79号

4. バイオテクノロジーの利用による育種

バイオテクノロジーとは、遺伝子を人工的に操作する技術。
植物の体を構成している細胞や組織の一部を取り出して、培地上で生育させつつ、 育種操作をすることで、育種の可能性を大幅に拡大するもので、研究が進んでいる。
■例:夢ごこち・ミルキークイーン

1. 葯培養技術
雑種第一代の葯を試験管内で培養すると半数体(染色体が半数)植物が得られ、それをコルヒチンという薬品で処理して、二倍体とする手法。
この二倍体は遺伝的に固定しているので、きわめて巧妙な育種年限短縮技術である。
→細胞塊から植物体への再生効率が低く、手間がかかりすぎる。
2. 組織培養による大量増殖技術
胚の原基をもつ細胞(胚様体)を大量にシャーレの上で増殖する技術。
これをゼラチン状物質で包み込むことにより、人工種子を作成する技術。
→F1稲(ハイブリッドライス)の採種手段として大きな威力を発揮。
3. 試験管育種法
試験管内で細胞を大量に培養する際、カルスから植物体への再分化時に多数の 突然変異体が生じるので、その中から特定の特性について選抜できる。
4. 細胞融合
プロトプラスト(細胞膜を除いた細胞)同士を融合させて、雑種を作る。
これにより生まれた体細胞雑種は、悪い遺伝子も取り込んでいるため改良が必要。
5. DNA組換え技術
有用形質の遺伝子を同定単離し、その遺伝子に組み込んだ稲を作出する。

参考文献:(財)日本穀物検定協会 図説 米の品種
監修:五ツ星お米マイスター 白井玲子

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