【ごはん歳時記 11月】秋の実りに感謝をささげる日だった「勤労感謝の日」

【ごはん歳時記 11月】秋の実りに感謝をささげる日だった「勤労感謝の日」

11月23日は「勤労感謝の日」ですが、戦前は「新嘗祭」という収穫に感謝する神道のお祭りが行われる日だったんです。秋は実りの季節。その中でも収穫を象徴するのはお米。「新嘗祭」のお供え物でも、お米は主役です。


ごはん歳時記

日本は四季の国。
春夏秋冬の移ろいが、暮らしに、風習に、食べ物に、
四季折々の彩りを添えてきました。
食いしん坊の人にとっては
暮らしの中で一番ビビッドに感じられる四季は
旬の食べ物かもしれませんね。
四季と食べ物を巡るエピソードで
人とごはんのつながりを辿る「ごはん歳時記」
さて今月は「新嘗祭」です。

1000年以上も遡ることができる「新嘗祭」の由来

新嘗祭の起源は正確にはわかりませんが、日本書紀では飛鳥時代(西暦642年~645年)に始まったとされており、本当だとすれば1000年以上も前に始まった風習ということになります。
毎年11月23日に天皇陛下が収穫を神に感謝する宮中行事が執り行われており、明治以降は新嘗祭の日は休日とされてきました。

戦後は「勤労感謝の日」と名前を変えましたが、秋の収穫祭あるいは感謝祭として各地の神社で祭りが行われています。

お供え物もお米が主役

新嘗祭の「新」は新穀=初穂を、「甞」はご馳走を意味していますから、新嘗祭はその年に実った穀物を神様に献上して恵みに感謝するというお祭りです。
よく「五穀豊穣」と言いますが、「五穀」とは米・麦・粟・稗・豆を指します。
稲作国ニッポンでは穀物の代表選手は米。
宮中行事として執り行われる新嘗祭では、全国各地から寄せられた「献上米」が神殿に捧げられ、天皇もそのお米を口にすると言われます。

お供え物の主役もやはり、お米なんですね。

お酒もお餅も原料は米だから

筆者がよくお参りする築地の「波除神社」でも11月23日には「新嘗祭」が挙行され、「初穂料」をお納めすると、ご神饌田でとれた新米と濁り酒をいただくことができます。
一緒にいただく御神符(写真)には稲穂が付けられています。

ご存じの通り、お酒は酒米を発酵させて作る飲み物ですし、神社の本殿に供えられている紅白のお餅ももち米をついて作ったもの。
新嘗祭のお供え物としては果物や野菜なども供えられますが、神様にいちばん近い場所には、必ず和稲(にぎしね・モミがらを取って精米した米)と荒稲(あらしね・モミの付いたままの米)をお供えするのが決まり事とされているそうです。

米を主食とするニッポンだからこそ、収穫のシンボルは米。だから感謝のしるしとしてのお供え物も、お米でできたものが大切にされるわけです。

「勤労感謝」=「収穫感謝」、新米の味を楽しみましょう

日本の食卓を支えるお米ですが、米づくりを担う農業に従事する人はずっと減り続けています。四半世紀前には500万人近くいた農業従事者は平成29年には180万人まで減り、平均年齢も66歳を超えました。
食事の西洋化も進み、国民一人あたりのお米の消費量は昭和の最盛期に比べれば半分ほどに減りました、毎日お米を食べる人の比率も、四半世紀前には70%以上でしたが、今では50%近くに落ちています。
お米は日本にとって貴重な自給自足可能な食糧です。秋の実りの季節は、新米も出回っておいしいごはんが食べられる季節でもあります。炊きたてホカホカのごはんをいつもよりちょっと多めに盛り付けて、新米の美味しさ、じっくり味わってみてはいかがでしょう。

農家の皆さんの米作りのご苦労に思いをはせるのも、勤労感謝の気持ちです。

この記事のライター

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