炊きたてごはんのおいしさを科学する

炊きたてごはんのおいしさを科学する

炊きたてのホカホカごはんがおいしい秘密は何でしょう。輝くような白いごはんからほのかに立ち上がる湯気とおいしそうな香り。口に入れた途端に広がるふっくらした食感とかすかな甘さ。想像しただけで食欲をそそる炊きたてごはんのおいしさの理由をちょっと科学的に探ってみましょう。


炊きたてのごはんがおいしい理由(わけ)。

五感で味わうごはんのおいしさの要素。

人はごはんのおいしさを五感で感じ取っています。炊きあがったごはんの白さや光沢を視覚で感じ、立ちのぼるほのかな香りは嗅覚で感じ取ります。口に入れると米粒の粘りや弾力、噛んだ時の歯ごたえや舌ざわりが触覚を刺激し、噛むほどに広がるかすかな甘みを味覚で味わうことで「炊きたてのごはんはおいしい」ということになります。

五感とお米の食味

視覚光沢と白さ
嗅覚ほのかな香り
味覚かすかな甘さ
触覚適当な粘り、弾力性、歯ごたえ、舌ざわり

こうしたごはんの食味はお米の品種・産地・栽培方法によって微妙に違ってきますし、収穫後の乾燥や保管の仕方も影響を与えます。また炊く前のお米の洗い方や水に浸けておく時間、炊きあがった後の蒸らし時間なども食べた時のおいしさと深い関係があります。
お米を生産する人から流通に携わる人、調理する人から食べる人まで、ごはんのおいしさは多くの人にリレーされて、私たちの食卓に届きます。

炊きあがった瞬間から始まるごはんの「老化」。

デンプンの変化

デンプンの糊化(α化)

お米にはアミロースとアミロペクチンという2種類のでんぷんが含まれています。日本人が好むふっくらと粘り気のあるごはんになるお米は、アミロースが20%以下のうるち米で、水と熱を加えるとでんぷんが糊のような状態(糊化=α化)になって粘りが出ます。お米を水に浸けて炊くというのはこのプロセスです。

デンプンの老化(β化)

ところが炊きあがったごはんをそのままにしておくと一旦糊化したでんぷんがまた元の状態に戻ってしまいます。これがでんぷんの老化=β化と呼ばれる現象で、老化が進むとせっかくのごはんがパラパラになったり硬くなったりしてしまいます。炊きあがったごはんは水分を多く含んでおり、pHも中性になっているので老化が進みやすい状態です。またごはんのおいしさの素であるアミロースも老化が早いので、炊飯ジャーなどに入れておいても炊きたてのおいしさを保てるのは5時間ぐらいと言われます。

ごはんの老化に影響すること

温度・60℃以上の温度で放置しておくと、老化は起りにくい。
・2~3℃の温度は、老化しやすい。
★冷蔵庫にごはんやパンを入れると、老化が進む。
水分・水分10~15%では、老化は起らない。
・水分30~60%では、最も老化しやすい。
★ごはんやパンは老化しやすい。
pH・中性は老化しやすい。
・酸性、アルカリ性は老化しにくい。
★白飯は中性で老化しやすく、酢飯は酸性で老化しにくい。
アミロース/アミロペクチン・アミロペクチンより、アミロースの方が老化しやすい。
★アミロース含量の高いうるち米は、もち米よりも老化しやすい。

おいしさを閉じ込めておく方法がある。

でも炊きたてのおいしさを保つ方法もあります。
ごはんをそのまま冷蔵庫に入れるのは逆効果。2~3℃の温度ではでんぷんの老化が進んでしまいます。保存するなら、炊いたごはんを小分けにしてラップ上にふんわりと広げ、粗熱が取れた後で冷凍しましょう。でんぷんの老化が始まる前に冷凍することで炊きたてのおいしさを閉じ込めることができます。また酢飯にしたり、梅干しと一緒におにぎりにすると中性のごはんが酸性になって老化の進行を遅らせることができます。

最も上手なごはんの保存方法

目に見えないお米のでんぷんの変化がごはんの味を大きく左右します。炊きたてのほかほかごはんのおいしさは、ある意味で生鮮食品のようなフレッシュな味と言えるかもしれませんね。

1. 炊上がったごはんは、粗熱をとり、ラップに小分けし平らにします。

2. 冷めないうちに冷凍することで、鮮度が保たれます。

3. 電子レンジなどを利用し、おいしくいただくことができます。
★冷凍したご飯は、2~3週間で使い切りましょう。

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