【ごはん歳時記 2月】恵方巻き

【ごはん歳時記 2月】恵方巻き

そろそろ節分が近づいてきましたね。昔は「節分」といえば「豆まき」しかありませんでしたけど、最近では「恵方巻き」が人気のようです。コンビニのおかげですっかり全国区になった感のある「恵方巻き」の正体、ごぞんじですか?


ごはん歳時記

日本は四季の国。
春夏秋冬の移ろいが、暮らしに、風習に、食べ物に、
四季折々の彩りを添えてきました。
食いしん坊の人にとっては
暮らしの中で一番ビビッドに感じられる四季は
旬の食べ物かもしれませんね。
四季と食べ物を巡るエピソードで
人とごはんのつながりを辿る「ごはん歳時記」
さて今月のメニューは「恵方巻き」です。

そもそも「恵方」ってなに?

小学生の頃は京都に住んでいた。お正月が近くなると、駅には初詣のポスターが貼りだされ、そこには「新年の恵方、初詣は○○神社へ」という文字があり、子供心に「恵方」ってなんや?と疑問に思ったことを憶えている。

東京に引っ越してからは「恵方」にお目にかかることもなかった。しかし近年コンビニで「恵方巻き」が売られるようになり、それをある方角を向いて無言で食べると福が来ると語られるようになって、古い記憶の中から「恵方」が蘇ってきた。

恵方の方位(wikipediaより)

「恵方」はその年の年神様(歳徳神)がいらっしゃる方角だそうで、十干十二支の十干(甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)で決まる方角。例えば今年は「戊戌」(つちのえ・いぬ)なので「戊」の示す方角つまり「南南東のちょっと南」というのが恵方になるらしい。どうやら関西方面に伝わっていた風習のようである。でも僕が知る限りにおいてはお正月に関する話であって、節分のことではなかった。

なぜ今、恵方巻きなんだ?

「恵方巻き」の元祖は大阪の街で食べられていた巻き寿司だと言われているが、京都にいた僕はそんな風習は聞いたことがなかった。もちろん節分の豆まきは盛んだったが、豆まきをする寺社が「恵方」をアピールすることはなかったようだ。それほど認知度の高い風習ではなかったのではないかと思われる。節分と「恵方」を結びつけたのは「恵方巻き」を全国区に押し上げたコンビニ戦略だろう。

クリスマスにはケーキ、バレンタインにはチョコ、ひな祭りにはあられ、季節の祝い事には食べ物がつきものだが、「鬼+豆」の節分は少々地味だったかもしれない。そこで家族みんなが喜んで頬張る巻き寿司に脚光を浴びせたコンビニの慧眼は見事といえるだろう。

信じる者は救われる。

「恵方巻き」は「恵方を向いて・切らずに丸ごと・無言で食べる」のが掟らしい。
「福を巻き込み」「年神様との縁を切らず」「福を口から逃がさないように」いただくという意味らしい。巻き込む具材に決まりはないようだが、縁起のいい七福神にあやかって、7種の具材を巻く豪華版もあるようだ。

オトナでも巻き寿司1本を丸々食べるのは少々too muchかもしれないが、春の到来を祝って、野菜でも魚でも玉子焼きでも何を巻き込んでもいい巻き寿司にしてごはんをいただくということは、節分そして立春を迎えるにはふさわしい縁起のいい風習かもしれない。

四季のある日本では季節を迎える風習が数多く存在する。古からの風習も時代や暮らしとともに、少しずつ姿を変えていくのだろう。
「家族そろって黙々&もぐもぐと恵方巻きをいただく風習は平成のころから広まった」と22世紀のWikipediaは語るだろうか。

この記事のライター

関連する投稿


日本の国菌「オリゼー」って? 和食をささえるふしぎなカビを探る児童向けノンフィクション、発売!

日本の国菌「オリゼー」って? 和食をささえるふしぎなカビを探る児童向けノンフィクション、発売!

「オリゼー」をご存じでしょうか?私たち日本人の暮らしにとても大切な「カビ」なのです。そんな楽しい児童向けノンフィクション『ふしぎなカビ オリゼー 千年の物語-和食をささえる微生物』が、株式会社岩崎書店から2018年10月26日に発売されました。


【ごはん歳時記 9月】お祝いごとに欠かせない、めでたいお赤飯。

【ごはん歳時記 9月】お祝いごとに欠かせない、めでたいお赤飯。

9月は敬老の日、お彼岸と休日が続きます。長寿のお祝いの席に欠かせないメニューと言えば、やっぱりお赤飯。 ほんのりと赤いお赤飯の色合いは、いかにもおめでたいですね。 でも、なぜ「おめでたい」=「お赤飯」という習慣ができたんでしょうか?


【ごはん歳時記 7月】土用の丑の日、なぜウナギ?

【ごはん歳時記 7月】土用の丑の日、なぜウナギ?

暑さに負けないごはんといえば、やっぱりうな丼。でもどうして「土用丑の日」=「ウナギ」になったんでしょうね?由来はともかく、夏のスタミナ食の元祖かも。


日本の伝統食・おみそ汁の専門店「MISOJYU」が浅草にオープン

日本の伝統食・おみそ汁の専門店「MISOJYU」が浅草にオープン

earth grace株式会社は、書道家の武田双雲氏が結成した「TEAM地球」がプロデュースする創作おみそ汁専門店「MISOJYU」(ミソジュウ)を2018年6月5日、浅草にオープンしました。おしゃれなお店で美味しいおにぎりと味噌汁が楽しめます。


【ごはん歳時記 6月】梅雨から連想する食材は何?

【ごはん歳時記 6月】梅雨から連想する食材は何?

じめじめした梅雨の季節がやってきました。イヤですねえ。梅雨から食べ物を連想すると何に繋がりますか?梅雨→梅→梅干しでしょうか?この梅干し、梅雨時には欠かせない食材、かもしれません。


最新の投稿


お米と水だけでできた新しい食品素材「ライスジュレ」のフィナンシェが発売。地域農業の活性化に貢献

お米と水だけでできた新しい食品素材「ライスジュレ」のフィナンシェが発売。地域農業の活性化に貢献

ヤンマー株式会社のグループ会社であるヤンマーアグリイノベーション株式会社は、「ライスジュレ」によって主食米の需要低迷など全国の米生産者、農業団体が抱える課題を解決する取り組みとして、「JAぎふ」とコラボレーションし、岐阜県産の米粉を使用したオリジナルのグルテンフリーフィナンシェ「お米でできたフィナンシェ」を発売しました!


「福正宗 酒歳時記 吟醸新酒 二〇一九」 新発売

「福正宗 酒歳時記 吟醸新酒 二〇一九」 新発売

福光屋より、毎年好評の「福正宗 酒歳時記 吟醸新酒」から来年の干支「亥」と、西暦「二〇一九」の2種類のラベルが発売中です!


日本人好みのパエリアを楽しむ。パエリア専門店「PAEZO」2018年クリスマスディナーの予約受付開始

日本人好みのパエリアを楽しむ。パエリア専門店「PAEZO」2018年クリスマスディナーの予約受付開始

本場スペインの技術と、和の要素を取り入れた、日本人好みのパエリア専門店「PAEZO(パエゾー)」にて、2018年クリスマスディナーの予約受付スタート! 銀座の極上の夜景を楽しみながら至福のひとときを過ごすことができる、毎年大好評の特別プランでクリスマスの夜をお楽しみください。


【おむすび Shibaraku 渋谷モディ】筋隈が目印!渋谷でこだわりのおむすびを味わおう

【おむすび Shibaraku 渋谷モディ】筋隈が目印!渋谷でこだわりのおむすびを味わおう

最先端を行く渋谷という街で、おむすびという伝統的な食を専門とした、おむすび専門店「shibaraku」(しばらく)が渋谷モディにオープンしました。印象的な歌舞伎をイメージさせるロゴが目印です。使用するお米、海苔、塩にこだわって作られたおむすびは定番から変わり種までどれも制覇したくなる魅力が満載!そんなおすすめのおむすび屋さん「shibaraku」をご紹介します。


【ごはん歳時記 12月】お雑煮のおもちは、丸い?四角い?

【ごはん歳時記 12月】お雑煮のおもちは、丸い?四角い?

12月になればそろそろ気になるお正月。そしてお米+お正月すぐに思いつくものといえば、お雑煮におもち。お雑煮の中身は地域によって実に様々なバリエーションがあるようですが、おもちの入らないお雑煮はありません。 ところであなたのお家のお雑煮、おもちは丸いですか?四角いですか?