ごはんと癒し:富貴寄せご飯で、夏の疲れをいたわる。

ごはんと癒し:富貴寄せご飯で、夏の疲れをいたわる。

今年の夏は、猛暑と多雨多湿が繰り返される、とても厳しい季節でした。 そのせいか、心身の不調を訴えている方が大勢。今回は、「夏の疲れ」を上手に癒し、深まる秋に備える方法について考えてみたいと思います。


今年の夏は、猛暑と多雨多湿が繰り返される、とても厳しい季節でした。真夏になっても、いつまでも梅雨のような湿気があり、また、そうこうしているうちに秋の長雨の季節に入り、カラッと晴れる真夏日はとても少なかったように記憶します。
 そのせいか、今周りでは、心身の不調を訴えている方が大勢。自分もその一人なので、今回は、「夏の疲れ」を上手に癒し、深まる秋に備える方法について書いてみたいと思います。

ごはんと癒し:夏バテのしくみと苦瓜(ゴーヤ)の涼味ちらし寿司

http://gohan.life/articles/91

今年の夏は、いつまでも湿度が高くムシムシで、既に夏バテ気味の方も多いと思います。そもそも夏バテのしくみってご存知ですか?今回も、薬膳料理の視点から、夏の養生について考えてみたいと思います。

夏は沢山汗をかきます。暑さのため、どうしても冷たいものを口にする機会も多く、そのため冷えに弱い胃腸の機能が低下し、身体が必要とするエネルギーや、重要な栄養素の「たんぱく質」、「ビタミン」、「鉄分」などが不足し、身体を動かす気・血がうまく作り出せなくなってしまいます。また、エアコンをつけていることも多く、外気との大きな気温差が、自律神経失調を引き起こす原因ともなり、食欲不振や疲労感といった不調が続いてしまうのが夏バテです。夏バテの仕組みは前章でお伝えしたので参考にしてください。朝夕の気温が低下し始め、しのぎやすくなったこの季節に夏の疲れをリセットして、本格的な秋、冬に向かう準備をしましょう。夏の疲れを秋に残すと寒くなってから風邪をひきやすくなるので要注意です。

秋の養生、キーワードは「潤い」

秋になると空気が乾燥し、呼吸器や肺に影響をきたします。肺は、呼吸を整え、「気」を全身に巡らせる役割のある大切な臓器です。肺が乾燥すると、体内の水分が不足し、鼻、咽喉、気管支、皮膚、大腸、小腸の粘膜なども影響を受け、トラブルのもとになります。また、肺は全身の気(免疫力)を作る場所でもあるので、乾燥すると抵抗力が落ち、ウイルス疾患にかかりやすくなります。秋の養生は潤いを補うことがポイント、体内が潤うことにより、大切な肺が守られ、同時に皮膚や髪などにも美容効果がもたらされます。

また、秋の養生は、昼と夜の長さが同じになる秋分の日を境に、前半と後半で養生の仕方が異なります。前半は乾燥し始めた秋の気に夏の名残の暑熱が加わる時ですから(このことを中医学では温燥と言います)、熱を取り、体内に溜まった不要な湿気を排出し、涼性で甘味、苦味のある食材で余熱を冷まし、必要な津液を生じさせます。後半は、乾燥した秋の気に寒さが加わってきます。(涼燥と言います)温性で辛味、酸味の食材を用いて乾燥を防ぎ身体を温めるようにしましょう。

秋前半の養生(立秋~秋分)温躁

自然界には乾燥した秋気が漂うのに対し、体内には夏の名残で、熱と湿気があり、とてもアンバランスな状態です。体内にこもった熱を取り去り、弱った胃腸機能を高める食薬を用いましょう。秋前半に相応しい食薬には次のようなものがあります。

秋前半に相応しい食薬

効果意味/食薬
清熱解暑
(せいねつげしょ)
熱を取り除き身体を守る
栗、セロリ、芹、マコモ、レタス、薄荷(ミント)、緑豆、バナナ、緑茶、スイカ、ゴーヤ、
生津止渇
(しょうしんしかつ)
津液(体内の水分)を生み、喉の渇きを解消する
胡瓜、トマト、豆腐、瓜類、スイカ
行気消食
(こうきしょうしょく)
気を巡らせ、消化を助ける
ラッキョウ、大根、ジャスミン茶、サンザシ、大麦、蕎麦、ミカン類
養心安神
(ようじんあんしん)
夏の間ストレスのかかった「心」をいたわり、精神を落ち着かせる
蕎麦、ラッキョウ、ユリ根、セロリ、なす、蓮根、トマト、大棗(なつめ)、蓮の実

秋後半の養生(秋分~立冬)涼燥

秋分の日を過ぎると、秋も本番。乾燥に寒さが加わり、肌荒れ、鼻や唇の乾き、髪のパサつき、喉のムズムズや空咳などの症状が出やすい季節になります。この時期に大切なのは、肺を温めること。肺を温め咽喉を潤し、身体の潤いをしっかり補う食薬を用いましょう。秋後半に相応しい食薬は、次の通りです。

秋後半に相応しい食薬

効果意味/食薬
滋陰
(じいん)
寒さに向かう前に身体を養う
山芋、黒豆、蜂蜜、松の実、黒キクラゲ、白キクラゲ、ほうれん草、銀杏、百合、いか、貝柱、すっぽん、なまこ、卵、豚肉、クコの実、柿
健脾胃
(けんひい)
消化吸収の働きを支える
粟、もち米、鶏肉、豚肉、山芋、サツマイモ、小豆、大豆、豆腐、かぼちゃ、さやいんげん、トマト、椎茸、イチジク、林檎、パイナップル、貝柱、鱸、いしもち、大棗(なつめ)、蓮の実
潤肺
(じゅんぱい)
肺を潤す
大根、山芋、豆乳、湯葉、松の実、梨、牛乳、杏仁、白ごま
潤燥
(じゅんそう)
不足しがちな津液(体内の水分)を補う
小豆、豆腐、湯葉、胡瓜、杏、梅、桃、レモン

最後に、秋のごはんレシピを紹介します。実りの秋は食材が豊富、食欲の秋にちなんだ素敵なレシピが幾つもありますね。今回はそんな秋本番レシピの前に、夏の疲れた身体をいたわるご飯レシピを紹介します。とうもろこしのヒゲと芯を一緒に炊き込む、味わい深いレシピです。ぜひ、お試しください。
今回も、薬膳のお話とレシピは、国際薬膳士渋谷久恵先生にご指導いただきました。

夏の和みの富貴寄せご飯

夏の暑さで弱っている胃腸の働きを高めるとともに、体内にたまった余分な水分を取り除いて、身体の重だるさや食欲不振を軽減するのに役立ちます。

材料

※4~5人分
  • 米・・・・・・2カップ
  • 生とうもろこし・・・・・1/2本
    とうもろこしのヒゲ・・・1/2本
    とうもろこしの芯・・・・1/2本
  • 枝豆(さやごと)・・・・200g
  • 山芋・・・・・・100g
  • 塩・・・・・・・小さじ 1/2
  • 酒・・・・・・・大さじ 1
  • 昆布茶・・・・・小さじ 1

作り方

  1. 米は炊く30分前に洗い炊飯器にセットする。
  2. とうもろこしは丁寧に粒をはずしておく。
    とうもろこしのヒゲは、柔らかいところだけを取り、刻む。
  3. 枝豆はさやから外しボールに入れ、塩小さじ1を入れ、表面の薄皮をむくように揉み、さっと洗ってザルに揚げておく。
  4. 山芋は皮をむき、1㎝角に切っておく。
  5. 炊く寸前に塩を入れてひと混ぜし、昆布茶と[2][3][4]及びとうもろこしの芯も入れ、スイッチを入れる。
  6. 炊き上がったら芯を除き、全体を混ぜて器に盛る。

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