日本のお米・世界のお米

日本のお米・世界のお米

地球上のイネはまず「アジアイネ」と「アフリカイネ」に分かれますが、現在世界中で栽培されているイネの大半は「アジアイネ」の仲間です。その「アジアイネ」を区分すると、「ジャポニカ米」「インディカ米」「ジャバニカ米」の3つに分けられます。


お米ファミリーの家系図

お米ファミリーは国際的。

「ジャポニカ米」は名前の通り、日本や中国東北部・朝鮮半島などを中心に栽培されているお米の仲間です。「インディカ米」は中国南部から東南アジア・インドやアメリカなどで栽培されているお米。そして「ジャバニカ米」はインドネシアやヨーロッパで栽培されています。
日本ではほとんどジャポニカ米しか生産されていませんが、世界的な生産量でみるとインディカ米が80%と圧倒的にメジャーで、ジャポニカ米のシェアは約20%です(※1)。

「ジャポニカ米」「インディカ米」「ジャバニカ米」の栽培分布

小麦やトウモロコシなどの主要穀物に比べて、お米の栽培地はアジアに偏っていますが、それでもアメリカやオーストラリアまで広い地域で栽培されているインターナショナルな穀物といえるでしょう。最近ではアジアイネとアフリカイネの優れた特性を兼ね備えた新品種が開発され、アフリカの食糧危機解消の切り札として期待されています。

  • ※1:ジャバニカ米はインドネシアを中心に栽培されていますが、生産量は多くありません。「熱帯ジャポニカ」と呼ばれてジャポニカ米の一部に分類されることもあります。

お米は見かけも中身も千差万別。

日本人が見慣れたジャポニカ米も、他の品種と比べるとかなり特徴があります。まず米つぶがずんぐりとラグビーボールのような形をしているので短粒種と呼ばれます。これに対してインディカ米はもっと細長い形なので長粒種と呼ばれます。ジャバニカ米はさらに大きいので中粒種と言われます。

見かけだけでなく調理した時の味にも品種によって大きな違いがあります。ジャポニカ米は炊いたり蒸したりすると、粘り気が出てふっくらとおいしく食べられます。日本人が大好きな白い「ごはん」はジャポニカ米の特徴を生かした食べ方です。インディカ米はよく知られているようにチャーハンやカレーに合うパラパラした食感が特徴です。炊くよりは煮るほうがおいしく食べられるようです。

お米の種類と適した料理

参考:食糧庁「着検手帖(農産物規格規程(抄))」

ジャバニカ米も熱を加えると粘り気が出ますが、ジャポニカ米ほどではありません。そのためリゾットやパエリアにするとおいしいお米といえます。
粘り気とパラパラ感に差が出るのは、品種によって米つぶに含まれるでんぷん成分に違いがあるからです。
粘りを出すアミロペクチンとパラパラ感を出すアミロースという2種のデンプンの含有量によって熱を加えた後の食感がかわります。
日本人が多く口にするジャポニカ米のうるち米ではアミロペクチン約80%に対してアミロースは約20%です。粘り気が持ち味のもち米ではアミロペクチンが100%です。これに対してインディカ米のアミロース含有量は22~28%ですから、ジャポニカ米よりもパラパラ感が強くなるわけです。
栽培される土地の気候や土壌によってお米の品種ごとの特徴が形作られ、やがて食べる人たちの好みや料理に大きな差が生まれてくる。お米という穀物はとても奥深い食べ物と言えるかもしれませんね。

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